さいたま市岩槻区に所在する「岩槻人形博物館」を巡りました。

人形

 

 

巡った当日は、人形に関する「岩槻まつり」が開催されていましたので、その様子をお届けします。

 

 

奥に見えるのが世界最大の「ジャンボ雛壇」

 

1976年(昭和56)から開催されているこのまつりは、毎年7月又は8月に開催され、ジャンボ雛壇をはじめ、人形に関するイベントや、屋台、ダンスショーなど様々な催しが開かれ、見物客は15万人にも及ぶそうです。

 

 

1.人形のまち岩槻

江戸時代となりますが、当時の岩槻は、日光御成街道における江戸からの最初の宿場町でした。そのため、日光東照宮の造営や修築に携わった工匠たちの中には、岩槻に住み着いた者も多くいました。
その工匠たちは、岩槻に多く植えられていた桐を使い、タンスなどの製品を作るようになっていき、中には人形を作りだす者もおり、その人形の技術が広まり人形のまちとなりました。つまり、職人と材料の桐が人形のまち岩槻のはじまりでした。

特に、日光東照宮の修理にあたった京都の仏師「恵信」が、岩槻産の桐粉に着目し、のりで固めて人形の頭を作り始めたといわれています。

人形の頭

 

 

2.人形博物館(にんぱく)について

にんぱくは、2020年に開館した比較的新しい博物館です。
館内は、展示品のある3室、ミュージアムショップ、ワークショップエリアなどから構成されています。
訪問したときは、「人形修復」と題した企画展が行われていました。

館内には様々な人形が展示されており、表情の違いや衣服、小道具などにも注目してみるとより楽しむことができます。
 

 

 

 

3.人形の製作方法

岩槻人形の特徴は、全て手作りであり、頭、胴体、衣服、小道具などそれぞれ分業しているという点が挙げられます。

特に昔から桐を材料として作られています。
桐は樹脂が少ないため、虫がつきにくく、軽くて丈夫で変形しにくいという特徴があるため、人形作りには大変適した素材です。これを用いた木彫人形や桐塑人形などと呼ばれる技法があります。

人形を接着するのり

 

これらの技術によって雛人形や五月人形などが作られています。

岩槻は、人形のまちらしく、駅を出ると専門店をたくさん見かけます。


 

 

皆さまもぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


■館情報(岩槻人形博物館
・住所:埼玉県さいたま市岩槻区本町6-1-1
・開館時間:09:00~17:00(最終入館16:30)
・休館日:月曜日、年末年始
・入館料:一般300円、65歳以上800円、高校生・大学生・65歳以上150円、小・中学生100円