今回は、東京都品川区に所在する「建築倉庫」を訪れました。

 

 

 

1.建築倉庫とは

 

ここでは、600点以上の建築模型が保管され、その一部が公開されています。

建築模型は、建築家や設計者のコンセプトなどが表現された貴重な資料ですが、今まで国内では保管スペースの不足により、十分に保管されてこなかった背景があります。この背景を受けて、倉庫会社である寺田倉庫が建築模型を保管する場所として「建築倉庫」を設立しました。

 

寺田倉庫外観。建物に「WHAT」の文字が見えます。

美術品、建築模型、写真、映像、音楽などを軸に保管してきた寺田倉庫が、倉庫会社らしい美術施設の在り方を模索し、辿り着いたのが「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」です。WHAT(Warehouse of Art TERRADA)の名のもとに展示されるのは、平面や立体のアート作品をはじめ、建築模型、写真、映像、文学、インスタレーションの数々。その中でも特に建築模型に特化した建築倉庫を見学しました。

 

入館に際し、まずは入口で事前予約している旨を告げ手続を済ませ、そこから係員さんの案内のもと倉庫に移動しました。

館内では撮影禁止となっていますのでご注意ください。内部の様子は、建築倉庫ホームページ掲載の写真でお届けします。



隈研吾氏の有名建築や公共事業のプレゼンで用いられた模型など様々な展示を楽しむことができます。
隈研吾氏は、「自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築」をテーマとされていますので、木材をはじめとする自然の活用や和の再現など凝って見ると新たな発見があるかもしれません。特に木材は、匂いによるリラックス効果や暖かな印象を受ける視覚効果などがありますね。

 

ところで、目の前に模型があったら、皆さんはどのように見ますでしょうか?

見方として、よく俯瞰して見がちですが、ぜひ実践していただきたいのは、しゃがんで人目線で見ることです。その建築が完成したときに、実際に人が通ることができる動線であるかなどを確認することができ、また、建築家の容積の使い方や工夫した点を発見することができるためです。現在では、3Dプリンターでも模型をつくることができます。

レゴやシルバニアで実践された方は多いのではないでしょうか。

 

 

2.模型の種類

 

建築模型は、クライアントへの説明や検討、打合せなどの際に認識をすり合わせるために利用されるツールです。図面よりも模型のほうがイメージしやすいところからきています。その用途によって、以下のように区分されます。

  • プレゼンテーション模型 完成イメージを掴んでもらうための模型。
  • 外装模型 建物の外装や屋根の形を確認することができるようにした模型。
  • 間取り模型 平面模型よりも詳細に家具や窓が配置された内観を確認するための模型。
  • 外構模型 建物の外構部分(生垣、庭、車庫、門扉など)を表現した模型。

 

3.見学後

 

建築倉庫から少し歩いたところに、倉庫カフェである「WHAT CAFE」に立ち寄りました。

 

WHATカフェを出ると運河があります。

 

 

■館情報(建築倉庫

・住所:東京都品川区東品川2-6-10

・開館時間:11:00~18:00(最終入場17:00)

・休館日:月曜日

・入館料:一般・大学生・専門学生700円、中高生500円、小学生以下無料