ピコ秒レーザー「ピコウェイ」
は、1064nmと532nm2種類の波長を照射するレーザーとして発売されましたが、数か月前より、785nmが第3の波長としてオプション追加されています。
785nmは、世界的には刺青の治療として、
緑色や青色に反応する波長として使用されているのですが、
日本では、しみなど色素性疾患に使用できるかが重要なポイントです。
785nmのディスプレイは、緑色です。
レーザー光も緑色に光ります。
1064nmでは反応しきれない色素斑・肝斑にテストしたところ
概ね良好です。 ピコグリーントーニングです。
785nmは、755nm(アレキサンドライトレーザー)の波長に近いのですが、レーザートーニングで使うと、755nm(アコレード)のそれとちょっと違います。スポット照射は、532よりマイルドで、755に近い反応です。
ピコウェイでのパルス幅は、1064nmが450ピコ秒、532nmが375ピコ秒なのに対して、785nmは300ピコ秒と最も短くなっています。
新しい機器が出たり、新しい波長やパルス幅のレーザーを見るときには、そのスペックや過去の経験から、反応や効果を予測しながら見て行くのですが、予想通りのことや、予想外のことが起きます。
しみ・色素の治療では、個人個人で、部位で、しみの症状で、反応が全く違うので、すべての人にすべての症状に良いレーザーなんてありえません。
絶対的プロトコールや公のガイドラインなんかが作りにくい分野です。
新しいものを試す場合も、知識と経験を基に、その時々の反応と結果を新たな経験にし、経験のフィードバックで次の臨床に役立てる。その繰り返しです。
そんなこんなで、来年で医師になって30年、
美容医療にかかわって27年、開業して20年になります。