キッチンカワセ @ 王子神谷(東京メトロ南北線) | CroquettePunchの “ 呑んでたまるか!”

キッチンカワセ @ 王子神谷(東京メトロ南北線)

オヤジさん,お店飛び出して行っちゃったですぜ.



出前のラーメン作っちゃったのよ.

ちょっくら行ってくっからさ,ゴメンねえ.


バイクに飛び乗るお姿も勇ましい,うっふふふ.

一向にかまいませんよ,是非安全運転で行ってくださいな.



ウーロン割りを注文した,ジョッキでどすんと出た,いいぞいいぞ.

これでも食べて待っててね,ゆっくりしてってね.

はみ出したメンマにもオヤジさんの慌てる心情が伝わる.

これでたちまちにご主人のことが好きになる.



《 キッチンカワセ 》



荒川堤防近くの住宅街,素晴らし過ぎるたたずまい.

午後の中途半端な時刻,営業時間か否かも不明.

意を決して入店した,むっははは.



やがて常連の方とおぼしきお客さんがご来店.

ご主人はまだご不在である.

お節介とは知りつつも一見客の私が顛末を語る.

あはは,いつものことですからね.

いいお店にはいいお客さんが集まるものです,やはり.



ほどなくしてご主人がご帰店です.

ありがとね,商売長いからこの人は大丈夫ってのがわかんのよ.

いやいや,お褒めいただき恐縮でんす.

この人は駄目だ,って時は茹でた麺捨てちゃう時もあっからね.

実直なお人柄をますます好きになる.



こういうご主人の作る料理はなんでも美味い,そう確信する.

あれこれ選びたい,でもね,あのメニュウが心掴んで離さない.

この後,人と会う予定なので躊躇した.

にんにく抜きでは作れませんかね.

にんにく無しってのはありえないなあ.



ごもっともです,ではお願いいたしますです.

ご主人,おもむろに生にんにくを包丁で潰しはじめます.

ってか,七粒もですぜ,ぶわっははは!



押っ忍!ご明察です.

界隈名物( )のカラシ焼きですねん,うっひっひ.

どすんと大皿で,きうりもネギもたっぷりの豪毅盛りですねん.





うむ,美味い,美味過ぎる,これだよね.

唐辛子の辛味に砂糖の強烈な甘さが寄り添う.

立ち昇るにんにくの香りが恍惚の地平に誘い出す.

これから人と会う予定ですが,いいや.

喰っちゃえ喰っちゃえ~,わははは.





これから人と会う予定ですが,やっぱりいいや.

呑んじゃえ呑んじゃえ~,ぶははは.

清酒は一升瓶から,ご主人の直注ぎで.

こうして呑むのが最高に美味いんだ,ごぞんじ.



カラシ焼きには白飯を,それには無論アグリーです,でもね.

この甘さにはこんな一皿もいいのだ.

ドライカレーですねん,わっはっきゃ~っ.



お行儀が不良ですが,やはりこうして,うっははは.

甘辛のタレが浸潤して,風味佳しなることおびただしい.

これね,個人的には絶賛に価する味です.



ご主人に送られてお店を出る.

満腹なので川沿いを歩いて帰ろう.

日々の憂鬱など吹っ飛んじゃうくらい素敵なお店だなあ.