《山上憶良 貧窮問答歌》
 
【Neuf Les Mille et Une Nuits=ヌフ レ ミレ ユンヌ ニュイ =ニュー 千夜一夜物語 No.270】
 
山上憶良の続きで御座います❗納得
 
詞書に天平五年(733)の作とありますから、この時、憶良は七十をとうに過ぎていたようです❗納得
 
こんな老年になってもなお、気遣わずにはおれぬ幼い子があったのでしょうか❗疑問符
 
先ずは長歌の大意を書きますので御参考に為さって下さいませ❗御礼
 
「老いにてある 吾が身の上に 病をら加へてしあれば」と御座いますから、億良は老いて病に苦しんでいたようです❗疑問符
 
その病は、「甚(いと)除(の)きて=いとのきて 痛き瘡には 辛塩を灌ぐちふごとく」
特別に。とりわけ。ことのほか痛い傷に、粗塩を擦り込むようなものだ❗
つらく苦しい病だったのでしょう❗疑問符
 
憶良は苦しみのあまり、「ことことは 死ななと」思うのですが、「五月蝿なす 騒く子どもを」傍に見て、「棄てては 死には知らず」ただただ我が身を思い煩うので御座いました❗納得
 
其れでは山上憶良の世界に少し深く踏み込んでみましょう❗合点
 
「老いにてある 吾が身の上に 病をら 加へてしあれば」
 
意味は
年を取ってボロボロに為った上に、病を背負子んでしまったよ❗悲惨
 
「昼はも 嘆かひ暮らし 夜はも 息づき明かし」
 
意味は
昼は嘆き暮らし、夜も溜め息ばかりついている❗ふ~っ
 
「年長く 病みしわたれば 月重ね 憂へさまよひ」
 
意味は
長年に亘り体調の不良を抱え、日々の悩みや憂いは無くならない❗非情
 
「ことことは 死ななと思へど 五月蝿(さばへ)なす 騒く子どもを」
 
意味は
事ここに到っては、死ぬしかないと思うけれど、周りで騒いでる子供達を見てると、とても死ねやしない❗納得
 
「棄(うつ)てては 死には知らず 見つつあれば 心は燃えぬ」
 
意味は
何もかも〔棄てて〕うっちゃって、どうせなら死んでしまいたいと思うけれども、五月の蠅のように騒ぐ子供を子供を見ていれば、心は逆に燃えて来る❗納得
 
「かにかくに 思ひ煩ひ 音のみし泣かゆ」
 
意味は以前に書きましたが
ともかくも考えあぐねては、激しく泣けてきて仕方のないことだ❗納得