《五月蝿なす=さばえなす 天岩戸》
 
【Neuf Les Mille et Une Nuits=ヌフ レ ミレ ユンヌ ニュイ =ニュー 千夜一夜物語 No.269】
 
《枕詞 五月蝿なす》
 
「五月蝿なす=さばえなす」は、〔騒ぐ〕〔荒ぶる〕に掛かるようです❗納得
5月の蝿のように騒いで五月蝿い❗
其の由来は?
【任された世界を統治せず、亡き母イザナミを乞い泣きわめくスサノオの声は青山を枯らすかのように、河海をことごとく乾してしまうほど激しく、その声を「さ蝿なす満ち」と表現しているのだそうです❗初耳】
 
結果、あらゆる災厄が起こり、憂えた天照が天の石屋戸に籠もったことで高天原および葦原中国は暗くなり、神々の声が「さ蝿なす満ち」たのだそうです❗初耳
 
「枕詞 五月蝿なす」の用いられた和歌を、万葉集の中で、私の好きな山上憶良の和歌から選びました❗合点
 
其のわけは、《女性版山上憶良》に匹敵為さるような方を、私は存じ上げておりまして、常々感服しきり、理解出来ない程の人類愛を感じていたからで御座います❗疑問符
 
先ずは本家の山上憶良の和歌を御鑑賞下さいませ❗納得
 
老いたる身に病を重ね、年を経て辛苦(たしな)み、及(また)、児等(こら)を思(しの)へる歌七首 〔長歌一首短歌六首〕
 
「玉きはる〔魂きはる〕 現(うち)の限りは 平らけく 安くもあらむを」
 
意味は
「玉きはる=魂きはる」は命に掛かる枕詞でしょうね❗納得
〔瞻浮州(せんぷしう=現世)の人の寿(よはひ)の一百二十年と申しますが、平穏無事を願っております❗納得
 
「事もなく 喪なくもあらむを 世間(よのなか)の 憂けく辛けく」
 
意味は
出来るだけ平穏無事に、事も無く喪(も)も無(な)く過ごしたいと思いますが、世間はそんなに甘くはなく、憂いや心配事の種は尽きません❗納得
 
「いとのきて〔甚(いと)除(の)きて〕 痛き瘡(きず)には 辛塩を 灌ぐちふごとく」
 
意味は
とりわけ、傷口に塩を擦り込むようなものです❗納得
 
「ますますも 重き馬荷に 表荷(うはに)打つと いふことのごと」
 
意味は
更には、重荷を背負った馬に、尚も荷を積み重ねるようなものです❗納得
 
要するに死ぬまで艱難辛苦は次々に襲って来るのですなぁ❗実感