子供の頃、TVをつけるとUFO、未確認生物から

そして心霊写真、超能力まで毎日のようにやっていましたよね。日テレの木曜スペシャルなどで、矢追純一とか中岡俊哉とかその道の専門家の解説を固唾をのんで聴いていたものです。そしてオカルト本を読んで、学校で友達と情報交換する。そんなオカルト天国の時代は1970年代でしょうか。あの頃は、インターネットもなくテレビが信じられていた時代なので、ましてや子供は写真の加工とか情報ソースのいい加減さ等思いもつかず大人の言うことを丸ごと信じて驚き震え上がったものです。あの頃の子供たちは多かれ少なかれオカルト好きでしたよね。


そんな少年時代を送った大人としては〈オカルトの本〉と聞くと手に取りたくなりますよね。

さて、この「オカルト・クロニクル増補版」は松閣オルタが超常現象肯定派と否定派の立場を越えて取材し、膨大な資料を読み込み、真面目に客観的に推理して真実を追求していくノンフィクション

懐かしの事件から最近の未解決事件まで。数々の事件を面白がりながらも真摯に解き明かす。松閣オタルの冗談の差し込み方が最初は読みづらかったのだが、だんだん慣れてくるとそれも楽しく読めてくる。


ディアトロフ峠やセイラム魔女裁判のような結論も有名な話もあったが、赤城神社の神隠しや城崎家8人全滅事件、長岡京ワラビ採り殺人のようないまだに訳のわからない事件等、たまらなくミステリーだ。


とはいえ他人から伝え聞いた話はほぼ間違いなく盛られているし、作り話が真実のように語られることも多い。体験者も時間が経てば、なかったことも現実味のある記憶として残る、あるいは記憶違いで脳に残るものもある。恐ろしい事件として伝聞されるが当時の新聞には一言も載ってない、当時の地図にそんな町名はなかったなどの新事実が解明されたとて100%虚構と言い切れるものでもありませんから、そこはいささかキリがない。いちいちそんなことにしたり顔で頷きながら読み進む。


 

 



でもその場では納得しても、何年も経つとこっちもまた忘れちゃって、また1から驚いちゃったりするものではあるのです。さらには松閣オルタが調べたことは信用できるのかと、そっちも疑い出して、これもまたキリがない無限ループなのです。