読みたい本を読んでるはずなのに記憶が切れて寝落ちする。活字のイップス状態で読めない期間が長いので、気分転換を兼ねて30日にヴァロットン展に行ってきました。年末の朝、開店すぐなら空いてるんじゃないかと思っていたのですが、侮るなかれ丸の内の三菱一号館美術館。意外と人がいましたね。



ヴァロットンは19世紀末の版画家・画家で、黒を使いこなし影も輪郭も色も巧みに黒一色で表現した革新的な木版画によりパリで活躍しました。そして何より浮世絵の影響を受けているのですが、この陰影の造り方。谷崎潤一郎が陰翳礼讃で日本的な美と語った陰影とは違う陰影の美しさではないですか!


雨を線で描くあたりは広重か?と思ったが、木版画では西洋でも雨は線で描かれていたらしい。


猫のラインなんかほんと魅力的。


これなんか探偵小説の挿絵みたいじゃないの。

ポールオースターのシティオブグラスのアメコミ版を描いたデビッドマッズケリを思い出しちゃう


最後に版画を動画にしたものが館内で流れていたのでその一部を。ヴァロットンは何より男女の機微の表現が素晴らしいので。それでは皆さん、良いお年をお迎えください。