「経営財務」の記事からです。

監査人の交代 2020年は前年同数の142件 ~監査報酬の理由が最多|ZEIKEN Online News|税務研究会

 

『大手監査法人から中小規模監査事務所への交代が引き続き多く、全体のおよそ3割を占めていた。交代理由の具体的な記載は継続して見られたところで、「監査報酬(費用)の増額」を挙げる事例が最多だった。』とのことです。

 

監査報酬は、「基本報酬+工数見積もり」の形で決めることが通常だと思いますので、報酬増加は工数が増加していると考えてよいと思います。

 

また、大手(及び準大手)は海外提携ファームとの関係もありますので、グローバルの観点からも監査報酬水準を考え、日本はもっと単価を上げていく必要があるとの考えもベールにあるのではないかと推測されます。

 

いずれにせよ、監査報酬は主に監査工数に連動すると考えられますので、近年の監査リスクの増加、事業の複雑性・(海外を含めた)地域的広がり、新しいビジネス、会計基準の(大型)改正、監査基準の要求事項の増加、その他、監査対象企業の対応能力・姿勢(←ここが大きい可能性がありますが)などなどがすべて監査工数に反映されますので、監査報酬を理由としての交代は、ある意味理由になっていないとも言えます...。

 

今後この開示では情報が不十分となれば、より詳しい開示が要求されるようになる可能性も考えられると思います。

 

結局は、監査人の交代理由は簡単に示せる場合もありますが、複合要因で何とも説明し難いという事もあるかと思います。