前回のお話
母が亡くなる2日前の午前10時
ついに緩和ケア病棟へ移動となりました
病院の最上階にあり病室から富士山が遠くに見える場所🗻
一般病棟の無機質な雰囲気とは違い日差し入り看護師の雰囲気まで全てが温かい
到着してすぐに
今なにかやりたいことはありますか❓と看護師に聞かれ母にシャンプーをしたいと答えました
自宅で具合が悪くなってからしばらくお風呂に入れてなかったので、頭がスッキリしたら気持ちいいだろうし何よりも天国に送り出す時には綺麗にしてあげたい思いがありました
しっかりと鎮静が効いて眠っている間に看護師が手際良く準備してくれたので、私と姉と子どもたちで手分けをしてシャンプー
その時に初めて気がついたんですが髪の毛の後ろの部分が大きな毛玉になって絡み付いていて、なかほぐれてくれませんでした
きっと自宅にいる時からそうなっていたはず
寝ている時も邪魔で不快だっただろうな
気がついてあげられてなくてごめんねという思いが込み上げてきて
泣きそうな気持ちを抑えながら大きな毛玉になった髪をハサミで切って、やーっと元気だった頃のサラサラヘアの母に戻りました
髪の毛は子どもたちがドライヤーで交互に乾かしてくれてスッキリ
みんなで一息ついていると緩和ケア病棟の主治医がきました
母の病状や今後の面会についてお話したいと…
子どもたちに母を見てもらってる間に姉と一緒に別室に移動
主治医からは
✅母の余命は数日である
✅鎮静を強めれば眠った状態になるため、本人の苦痛を最小限に抑えることが出来るが会話は出来なり、副作用として呼吸抑制が起き死期を早める可能性もある
✅コロナ禍であり面会は原則2名子どもは要相談
と説明がありました
私は改めて母の余命が数日であることを認めざるを得ない状況に涙が溢れて止まらない状態
私は主治医に
✅母が1番辛くない状態で最期を迎えてほしいので辛い時は鎮静を強めてほしいこと
✅面会が可能なら姉や子どもたちも許可して欲しい
とお願いしました
面会に関しては密を避けなくてはならず
子どもは許可できても長女のみと返答あり
仕方ない病院が悪いんじゃなくてコロナのせいなんだから
ただ、シングルマザーなので夜中に母が急変して駆けつけたい時子どもを置いていくのは心配であると伝えたところ
『やむを得ないときは家族控え室があるので密にならないように交互に面会してください』
と寛大な対応をしてくれることになった
他に心配なことはありますか?と看護師から質問され号泣し声を詰まらせながら
『おばあちゃんっ子の長女が母の死を上手く受容するにはどうしたらいいですか?今、後悔を残さずにお別れするにはどうしたらいいですか?』
と質問
看護師は
なるべく長女がおばあちゃんに寄り添えるように精一杯お手伝いします
と優しい声をかけてくれました
病室に戻ると
母は『シャンプーしてくれたの?寝てて気がつかなかったけど頭が気持ちいいよ』と笑顔で長女に話しかけまた穏やかに眠りにつきました
夕方まで過ごし一旦子どもたちと帰宅
その時に考えていたことは
神様どうか母に奇跡が起きて
お願い私を置いていかないで(´;ω;`)
そんな気持ちでいっぱい
だけど無情にもお別れの時間はすぐそこまで迫っていました
次の話