遠い目(下流編)
男40超えてくると,何かと思うところもあったりする。それなりに激動の人生だったように思う。転落の危機に瀕しても,なんとか持ちこたえてきた。若い頃の自分の境遇からしてミッドタウンで働くことになるとは思わなんだ。同期100人のうち,最も期待されていなかったのが俺を含めて4,5人。そこにしか入れそうもなかったから,こっちとしても「入れてもらって有難う」みたいな感覚だった。そうは言っても,「俺の扱い低いよなー」と感じることが度々あれば,多少なりとも複雑な感情が沸いてくる。会社も,いい機会があれば,レッテル貼って辞めてもらおうと考えていたのだろう。行きがかり上,そんな仕事をする羽目になっただけと言えばそれまでだが,毎日,嫌がらせをされれば,この野郎という気が起きない訳ではなかった。部屋に自分を鼓舞する言葉の書かれた紙をいくつか貼って,友達が来たときには慌てて外す。ただのお人好しの木偶の坊と思われてるのだから,そんな野心を人に見られたくない。自分を鼓舞する言葉を貼っても,具体的に何をすればいいのか皆目見当もつかないし,これだと思って飛びつこうとしても,いつも金銭的な問題に阻まれる。そりゃもっと禁欲的になって,すべて捨ててかかればできないことではないこともあったかもしれない。しかし,そこまでする根性はなかった。それでも少しずつ何かは変わっていったのだと,今にして思う。上を見ればきりがないけど,割と今の現状に満足している。流行に流されず,自分の身を誤らなかったからかもしれない。身の丈を,身の程を思い知らされてもいたし。前にも書いたけど,なんせ,リクルートの会社の奴に,「君に紹介できる仕事はありません!」って30前にして断言されちまったからよ。あん時,どんだけ悲しかったか。あいつ,今度会ったらぶん殴ってやろうと思ってるけども。ただじゃおかねえ。お前らの定義で,勝手に駄目な奴と決めつけやがって。あいつらの世話になろうなんざ,金輪際思わねえ。所詮,下流喰いビジネスのくせしやがって。はっきり言おう,リクルートのやってることは,下流喰いビジネスだ。それ以下でも,以上でもねえ。下流に落ちそうな悩んでる人間の背中を押して,実際に下流に落とすのがあいつらのやってることだ。気をつけろ。ブラック企業はいくらでもある。モンテなんとかという会社は,俺の以前いた会社よりもひどいというのは実際に転職した奴からも聞いたし,そいつも半年で辞めた。オーナーとその取り巻きが,靴を舐めろと指示する会社もあると聞いた。実に,志が低い,頭の悪いベンチャー企業家だと思う。評判が評判を呼んで,いずれ大島何某みたいになるのさ。