国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊

 

 

 

 

まえがき

 

 

第一章 戦後の混乱と鉄道マンの根性

 

 

1 「汽笛」-焦土の産声

 

8月15日の鉄道

決戦非常措置要綱

 

 

東京大空襲と省線電車

あの日の救援列車

 

 

2 すぐに「復興運輸本部」

 

 

終戦直後の輸送混乱

早くも鉄道復興5ヵ年計画

通勤・通学地獄

 

 

3 マッカーサーの指令

 

 

連合軍の進駐

GHQとRTO

 

 

連合軍専用列車の秘話

海軍工廠は鉄道工場に転換

 

 

4 インフレ対策と赤字経営の狭間

 

 

鉄道省の強いイメージと風土があった

終戦直後の要員事情

戦後インフレと国鉄財政悪化の悪循環

 

 

 

第2章 暗中模索の公社スタート

 

 

1 「日本国有鉄道」誕生

 

 

「三公社」としての括り

日本国有鉄道成立の動機

 

 

突如進駐軍からの提案

アメリカと事情が違う

 

 

2 公共企業体の内容

 

 

公共企業体の構想

国鉄法の成立

 

 

法案の内容と実態

監理委員。後の監査委員

 

 

労働関係制度・会計制度の基本

国有鉄道運賃法とその問題点

 

 

甘くなった「経営」と「ビジネス」の感覚

複雑になった組織と官庁風土

スタートに当たっての誤謬は何か

 

 

3 人員整理と奇怪な三事件

 

 

最初の国鉄労働問題

2・1ゼネストの中止

 

 

定員法の成立と人員整理の実施

膨大な国鉄職員解雇通告

 

 

下山事件

三鷹事件

松川事件

 

 

4 懺悔の特急「へいわ」4ヵ月で「つばめ」へ

 

 

竹馬経済からドッジ・ライン不況へ

特急「へいわ」の誕生

 

 

元日早々「へいわ」は「つばめ」に

日本人も乗れる進駐軍専用列車

 

 

5 悲劇・桜木町事故と洞爺丸事故

 

 

桜木町事故

洞爺丸事故

戦争のつけ、未来への警告

 

 

第3章 栄光としのびよる経営矛盾

 

 

1 東海道全線電化ー電車特急「こだま」

 

 

幹線電化と湘南電車

東海道本線の全線電化

 

 

電車特急「こだま」誕生、「つばめ」「はと」も電車化

修学旅行専用車両

 

 

亜幹線は交流電化で

気動車の経済性

民衆駅構想・駅ビル誕生

 

 

2 第一次5ヵ年計画ーー輸送力対策と資金不足

 

 

「もはや戦後ではない」に異議あり

待ったなしの車両・地上設備の老朽化対策

 

 

第一次5ヵ年計画の決定と取り巻く環境

国鉄財政と資金問題、噴出する公共事業体の矛盾

 

 

3 「さんろくとお」全国特急網ーー第2次5ヵ年計画

 

 

特急気動車のダイヤ改正「さんろくとお」

意見書の再読

 

 

第2次5ヵ年計画の策定とその内容

三河島事故と保安対策

 

 

4 新幹線の開業ーー石田礼助総裁の警鐘

 

 

行き詰った東海道本線

幹線調査会の検討結果

 

 

新幹線計画への賛否両論、鉄道斜陽化論

新幹線の父・十河信二登場

 

 

周到な開発

東海道新幹線の開業工事費の高騰と経営責任

 

 

管理・運営組織問題の議論

石田総裁の腹のうち

 

 

国鉄投資に対する評価

新幹線に終始懐疑的だった石田総裁

伸び行く東海道新幹線と山陽新幹線の建設

 

 

5 通勤五方面作戦

 

 

混雑率

高度経済成長の自縄自縛、赤字転落

勤勉な国鉄組織と国鉄財政の悪化

 

 

 

第4章 鉄道技術屋魂

 

第5章 鉄道現場と労働組合

 

第6章 鉄道貨物の栄枯盛衰

 

第7章 国鉄衰退の20年

 

第8章 国鉄崩壊と再起

 

終章  JRの誕生と未来

 

 

あとがき

 

参考文献・年表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JRは、再国有化しなければならないが

国鉄民営化の経緯を知らなければ、議論にもならない。

 

 

特に、JR北海道、JR四国などは

このままではじり貧で、終わってしまう。

 

 

儲かるところだけ民営化して、おいしいところは1兆を超える利益

その一方、数百億円の赤字で、ひいひい言っている。

 

 

公共財としての鉄道は、基本的に利益など考えず

地元住民の要望にのみ応えるだけでよい。

 

 

 

赤字、赤字といって喚かれるのは、日本の財政政策と似ている。

赤字だからと言って、バッサリ切り捨ててよい理由にはならない。

 

 

著者は、JR九州を立て直したと自慢するが

そんなもの、赤字路線をどんどん廃線にすれば、誰でもできる。

 

 

大切なことは、日本国家発展のために

国家の鉄道は、どうあるべきかという視点である。

 

 

もちろん、じゃんじゃん赤字を垂れ流すのはよいわけではないが

かといって、このまま放置すれば、発展途上国と同じになる。

 

 

再統合して、再国有化が望ましいが、非常に難しい。

なぜなら、儲かっているJR3社は、ほぼ何にもせずにぼろ儲けしているからだ。

 

 

猪瀬直樹だっけ、道路公団民営化でぼろ儲けしている連中は

濡れ手に粟の状態を手放さないのと同様、JR3社もそう。

 

 

一度やられてしまったら、再び元に戻すことは

現状、不可能に近いことが悩ましい。

 

 

 

この本は、私物化(民営化)論者の意見を聞くには良い本

でも、JRを再国有化することは無理なんじゃないかと考えさせられる。

 

 

著者も、「ザイム真理教」の信者であるために

教義からは抜け出せないから、縮小均衡(デフレ)脳になってしまう。

 

 

本当に、「ザイム真理教」の信者は、恐ろしいと思ふ。

 

 

 

 

 

 

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