ノア・スミスが、2020年からのインフレを
正しく理解したのは、どの派閥かに関して、どうも引っかかる点がある。
まずインフレを一括りにしている点
インフレといっても、悪性のものと良性のものがある。
悪性のインフレは、コスト・プッシュ・インフレで
供給要因から来るもの
良性のインフレは、ディマンド・プル・インフレで
需要要因から来るもの
主流マクロに、Aーをつけていて
自分と主流派の勝利宣言
おそらくどこに軸足を置くかで
評価は、ゴロっと変わる。
一般庶民か、スポンサーの富裕層か
富裕層向けなら、確かにごちゃまぜのインフレ対策でいいだろう。
チーム一過性 ポール・クルーグマンたちなので
日本だと、リフレ派
こいつらも基本、詐欺師なので
ノア・スミスたちと同類と言っていいだろう。
似たもの同士なのに、なぜか相性が悪い。
左翼の内ゲバみたいなものか。
パンデミックは一過性とも言い切れず
その後に、米国はウクライナ戦争を始めたので、一過性論は消滅
新古典派とリフレ派は、間違うために生きていて
人間ってのは、こうなっちゃダメだよと教えてくれているのかもしれない。
- 資産バブル崩壊
- 債務危機
- 天然資源危機
- サプライチェーン崩壊
- ブラックマーケット
- 国家崩壊
- 雇用危機
- 社会の紐帯の浸食
複合危機論は、アダム・トゥーズらしい。
ノア・スミスは相殺する場合だけを見て、ダメという。
確かにそういうようにも見えないこともない。
しかし互いに相乗効果をもたらすこともある。
これに関しては、個別具体的に検証し
それらがどういう関係性を持ったのか
それなりに把握できないと
複合危機論がダメだとは言い切れない。
また2021年~2022年の高インフレ期に
雇用危機は起きていないと言う。
生産年齢人口の激減で、労働需要が高いのに
雇用危機なんて起きるだろうか。
オバマ政権時、雇用が回復したと叫んでいたが
不安定な短期雇用が増加しただけだった。
物価は、3年前に比べて17%近く上昇
食料品のインフレ率は2022年8月の前年比ピークの13.5%からわずか1.3%まで急落
典型的な食料品バスケットの価格は、インフレが加速し始める
直前の2021年2月の価格よりも依然として20%高
アパートを借りるコスト、賃貸料は前年比6.5%上昇
パンデミック前のペースのほぼ2倍
2023年初頭のピーク時には、賃料は年間9%近く上昇
アメリカ5年物ブレイクイーブンインフレ率が2002年以来の最高値に
[元ツイート]
「食料品・消費者商品の物価上昇」
「雇用主が雇用する従業員を見つけられなくなること」
「人々が担保権失効や立ち退きに見舞われること」
「人々が仕事に就きたいのに雇用が見つけられないこと」
インフレ退治は,FRB の仕事
FRB の予想管理ゲーム
選択肢 1: インフレ退治のために金融政策を引き締める手がある,ただ,
これは景気後退を引き起こし,数百万ものアメリカ人を仕事から追いやることになる
選択肢 2: マイナスの供給ショックが実物経済におよぼす影響を打ち消そうとして
金融政策を緩和する手がある、でも,これはインフレをいっそう悪化させる。
5年物ブレイクイーブンインフレに注視していよう
BEI率は、こうしたマクロ経済学者がよく使うものだが
悪いが、あまり意味がない。
BEI率:日本の場合
日本でもう検証済みだが、アベノミクスがそうだった。
人々の期待に働きかけ、インフレを起こすというもの
リフレ派が、2年でデフレ脱却をしてみせると息巻き
岩田規久男はできなければ、日銀副総裁を2年で辞める(コミットメント)
BEIは、合理的経済人という概念によって支えられているため
そういう人がいないと成立しない。
もちろん人間は、合理的経済人などという安直な概念の枠に収まらないので
緊縮財政+金融緩和は、大失敗に終わった。
大失敗を認められない中、バンデミック、アメリカのウクライナ戦争
イスラエルのパレスチナ戦争、と大きな外的要因を契機とし
悪いインフレ(コスト・プッシュ、サプライ・ロス)が始まって
これを巡って、経済論争は揉めにもめている。
The optimistic perspective on inflation is that latest numbers are noise so better off smoothing over 6 or 12 months.
— Jason Furman (@jasonfurman) April 26, 2024
The pessimistic perspective on inflation is that it is turning back up. pic.twitter.com/xyMis7Z3ue
ジェイソン・ファーマンは、通常運転で、需要の責任に転嫁
需要のせいにするのは、いくらでもできる。
図 1: 年間の月間ヘッドライン PCE インフレ率に対する需要と供給による寄与
ノア・スミスも、このグラフだけを見て
最後の2024年3月だけ、ピッコ~ンと需要が跳ね上がっているので
同じように、需要のせいにしている。
「利上げがあって,しかもパンデミック期の給付による貯金が
おおよそ使い切られた状況で、需要側に起因するインフレの原因として残る候補は
あるいは,赤字支出を増やすべきって提唱してる人たちの呼び方でいくと
「大胆財政(ビッグ・フィスカル)」かな。
今回のインフレ上昇も,11月〔大統領選〕でバイデンの足を引っ張る時期に
人々の認識にのぼることはないかもしれない。
ただ,学資ローン免除みたいな大型の支出項目をインフレ率の高まった時期に
やろうというなら,現政権は危険なゲームに興じることになるね。
図 2: 年間換算の月間コア PCE インフレ率に対する需要と供給による寄与
図 3: 前年比ヘッドライン PCE インフレに対する需要と供給による寄与
図 4: 前年比コア PCE インフレに対する需要と供給による寄与
しかし、前年比でみた場合、需要要因は半分にもいかない。
大統領選挙の年だから、大盤振る舞いは珍しいことでもなく
それが、学生ローンの免除なら、とても素晴らしい政策だ。
もしそのせいで、多少インフレが亢進しても、良い贈り物となる。
パンデミック時代の累積超過貯蓄
累積超過貯蓄額の月次変化
アメリカの一般庶民の多くは、過剰貯蓄どころか
お金を使い切ってしまって、お金をクレジットなどで借りている状況
その中で、利上げをバンバンしたものだから
その利息の返済も、かなりきつい。
アメリカの一般庶民にとって、株高なんて縁がなく
ただでさえひどい格差を助長しているにすぎない。
そして株価が破裂してしまうと、それに関係のなかった人々が
巻き込まれ、ひどい目に会ってしまう。
いずれにしても、今回の悪いインフレはチャンスであることは疑いようがない。
さらなる財政拡張と利下げの要求が、大統領選の目玉になる。
これだけ一般庶民が悲観しているのは、FRBの責任が大きい。
度重なる、利上げに悲鳴を上げている。
需要の責任にして、財政をしぼったのも悪く
アメリカの一般庶民は、利上げと緊縮財政に悲観していると言える。
MMTは、落第とノア・スミスは評しているが
落第は、君たち主流派マクロのほうだった模様
利上げが、悪いインフレを助長している可能性が高くなってきた。
株価に代表される金融資産の膨張、世界各国の対ドルレート上昇
それによる為替の不安定化など、あまりに多くの副次的弊害も
もたらしている。
非常に不正確で正確には「政府の赤字は国債を買った人の黒字。但しそれは、例えば100万収入がある人が、自分では50万しか使わず50万国債を買ったので収入(100万)>支出(50万)になって黒字なだけで別に何か富が生み出されている訳ではない」です。ミスリーディングな幻想を語るのも大概にと思います https://t.co/mpLEOnhwio
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) February 10, 2024
この方々の根本的誤りは、世の財政は①積極財政と②緊縮財政のどちらかしかなく、どちらかに2分されると考えている事です。現実には、その中間の「不景気時には国債で財政赤字を出し、好景気時には債務を減らす」という③至極普通の財政運営があり、大概の人はそれを主張しているという事です。 https://t.co/kWGmv1WZnB
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) November 16, 2023
新自由主義が跳梁跋扈してから、ずいぶん時間が経過した。
この「維新スピリッツ」は、「ザイム真理教」が直接の原因だ。
世界中、いろんな国が「ザイム真理教」にやられている。
順調なのは、ロシアとその関係諸国ぐらいかも
まあ日本も、その「ザイム真理教」の真っただ中にいて
もがき苦しんでいるんで、真に困ったニャーと思う。
#森永卓郎 氏が 財務省や緊縮派が吹聴する嘘を暴露
— 桃太郎+ (@momotro018) July 25, 2023
『必要があって増税してるわけではまったく無い。#ザイム真理教 の教義で「増税しないとハイパーインフレが起きる」と言ってるが、日本に借金なんかないんです「貯金してるのに借金で首が回らないんで増税させろ」と訳の分からない理論を言っている』 pic.twitter.com/nXoamCNlF0