ここんとこ、この疑問が頭から離れない。
日本という国について語られたり
日本人論を語るのもよく聞く。
また日本経済について語られるのも、よく聞く。
日本という国が、まとめられたのは
豊臣秀吉の天下統一、その後の徳川幕府
徳川幕府によって、幕藩体制という形で
日本は、近代以前に国家っぽいものができた。
徳川幕府体制を維持させるため
鎖国政策が採用されることになった。
といっても完全な鎖国ではなかったから
諸外国の情報も、ちゃんと手に入った。
この江戸幕府の目標は、徳川家独裁体制を維持すること
戦国時代のような混乱を回避することだった。
戦国時代を経て、軍事的に強国だったので
諸外国の軍事的な干渉を受けずにすむ。
また軍事力があるからといって、対外膨張主義にもならず
諸外国への侵略もせずにすんだ。
鎖国政策については、江戸時代いろいろな意見が
飛び交ったが、強権的に抑え込むことができた。
だいぶ時間が経過して、欧米諸国が帝国主義・植民地主義を
採用できるほど発展をして、世界中が植民地へと変えられていった。
日本はそれを見ていて、お隣の清でさえ、アヘン戦争で
英国に敗北して、植民地化されたことに、非常に危機感を持った。
幕末の動乱を経て誕生した、明治時代の日本国家の
目標は、植民地にされないことだった。
植民地にされないために、何度か戦争をして
最終的に米国に敗れ、結果、米国の植民地になってしまった。
形式的には独立国だが、日本中に
駐留軍がいては、真の意味での独立国とは言えない。
国際条約違反のことを数多く、米国にされたが
それを素直に受け入れ、この国の目標は「豊か」になることになった。
敗戦後の日本国家の目標は、「豊かに」なることだけで
それ以外は、二の次に置かれる。
自主独立とか外交・安全保障問題なんて論外
そっちは、すべて駐留軍、つまり傭兵に任せてしまった。
傭兵制度の弊害は、それを採用した歴史上に国々を見れば分かる。
自国の安全保障を、他者に任せて良かった試しがない。
日本は、米国に安全保障をすべて預けてきたから
彼らから、いわば「かつあげ」され続けてきた。
その結果、国民は貧困化してしまい
戦後の日本の国家目標である、「豊かさ」を失ってしまった。
ここで言う「豊かさ」とは、国民みんなが
経済的に「豊か」で安心して暮らせるという意味
ごく一部の人だけが「豊か」であっても意味がない。
そんな状況は、どこの国でも見受けられる。
ごく一部の人たちだけの「豊かさ」が、国作り
つまり敗戦後の日本国家の目標であったわけではない。
あらゆるものを犠牲にして「豊かさ」を求めてきたが
現在でも、あらゆるものを犠牲にしているのに「豊か」ではない。
植民地のままなのに「豊か」でもない。
明治期の国家目標も、戦後の国家目標もなくなった。
日本国家の存在意義は、どこにあるのだろうか。
なんのために日本国家ってあるんだろう。
左派は、敗戦の責任が天皇だとか
安全保障に触れないとか、触れても、核武装には絶対に反対とかなんとか
非武装中立国を目指すのかもしれないが
「豊かさ」の方を、また追い求めようとも言ってくれない。
右派は、自分たちを愛国者だというが
だいたいは這米・媚米・対米従属論者
自主独立のため、国際社会から非難され
その途上、貧困化するかもしれないが、耐え忍んでくれ
自前で武装、それも核保有国になれば
また「豊かさ」を取り戻せるといったようなことも言わない。
自主独立も求めず、「豊かさ」も求めない。
では、日本人にとって、日本国家ってなんのためにあるのだろう。
左派の言うように諸外国には、カネをばらまいて
土下座し続け、国民が貧困に苦しむことが、国家目標なのか。
右派の言うように、米国にもみ手をして媚び続け
カネを貢ぎ続け、侵略者の傭兵である駐留軍を喜び
そして、国民には「豊かさ」を求めることを諦めてもらい
ただひたすら貧困であることを強いるのが、国家目標なのか。
だとすると、日本国家って、だれにどこへ向かって国作りをしていくのか
それは果たして国家と呼べるものだろうか。
ここまで国民が貧しくなってしまっては
敗戦後の国家目標は、完全に失われた。
今となっては、なんのために日本国家ってあるのだろうという疑念が湧き
現在の日本国家の存在意義が分からなくなる。
