「自尊心は、借りがあるのを望まない。

自己愛は、借りを返すのを望まない」

ラ・ロシュフーコー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

厚労省は、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などの

いろいろな名称を、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)

 

 

としてまとめて表現するようになったのだが

ここでは、一般的に周知されているアスペルガー障害、通称アスペでいく。

 

 

 

 

 

こころのクスリBOOKS よくわかる女性のアスペルガー症候群

 

 

 

 

女性のアスペルガー症候群

 

 

(1)自分の考えに強いこだわりを持つ 

 

 

・こだわりが強いせいで、うまくいかないとパニックになることも 

・細部にこだわるあまり、大局が見えなくなる

 

 

 (2)臨機応変が苦手で、パニックになりやすい 

 

 

・急な変化に対応しづらい 

・一度に複数のことができない 

 

 

(3)相手の立場に立って考えるのが苦手 

 

 

・暗黙の了解が理解できない 

・自分にされていやなことなのに、相手にはしてしまう 

 

・相手を思って言ったつもりが傷つけることも 

 

 

(4)感覚が敏感すぎて、人と一緒にいることが難しい 

 

 

・五感が非常に敏感で、過敏でさえある

 

 

 

 

夫と意思疎通ができずに妻が陥る「カサンドラ症候群」 発達障害 ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスペルガー障害は、以下のような要点になる。

 

 

 

・変化が苦手
・自分の考えに強いこだわりを持つ

 


・一度にたくさんのことを同時進行するマルチタスクが苦手
・相手の立場に立って考えることができない

 


・暗黙の了解が理解できない
・自分にされていやなことなのに、相手にはしてしまう

 


・自分のやり方や考え方が正しいと思っていて、

 人にはそれぞれ考え方があるということがわかりにくく、それを認めない

 

 

 

 

アスペルガー障害について語ったり、その対処法

またそれによって生ずるカサンドラ症候群などについて語っても

 

 

精神医学が行う場当たり的なやり方になるので

もっと本質的なかたち、つまり哲学的な話でいく。

 

 

 

動物の欲望は、身体的な「快」を充足することにあるが

人間的欲望は、これから離陸して

 

 

人間のはじめの欲望は、「ほめられること」

つまり「自己愛」、これは人間独自のもの

 

 

「ほめられるとうれしい」この感受性が

人間の「自我」のはじめの萌芽となる。

 

 

がまんをしたり、禁止を守ったりすることで

お母さんの機嫌が良くなり、「関係感情」がよくなる。

 

 

そうしたルールを守ることで、ほめてもらう

「いい子だ」の感覚をつかむことで、

 

 

人間は、はじめて「自己愛」の感覚を知る。

人間が「自我」の生き物となっていく、はじめの光景

 

 

「自我」の本質は、大きな部分が「ほめられること」「愛されること」

つまり「他者から評価されること」で作り上げられていく。

 

 

「自我」とは、親や他人と取り結ぶ

「ルール関係の束」といってもよい。

 

 

子どものころは、ほめられたい、可愛がられたい

愛されたいという気持ち、みんなこういう「自己愛」を自然に持っている。

 

 

しかしそうなるためには、「親」や「他者」のルールを

受け入れること、つまり「よい子」になることと引き換えて実現される。

 

 

生育するにしたがって、自分を他者の評価にたえる人間にしていこうとし

そのころには「自我」の意識

 

 

「自分は自分だ」という意識も確立され

それは「自己理想」というかたちをとっていく。

 

 

この時「よい子でありたい」という気持ちの一方で

自分の中で否定できない利己的な「自己愛」を、徐々に自覚しはじめる。

 

 

それによって、トラブルが生じてしまう。

いろいろあるが、基本形は二つ

 

 

一つ目、親の期待に応えて、「よい自分」でありたいのに

なかなかその期待に十分に応えるのは難しいこと

 

 

二つ目、自分自身「よい自分」たろうと自己理想をもっているのだけれど

自分の中に利己心という醜いものがあることを自覚して悩む。

 

 

 

人間ははじめに「自己愛」から出発してしまう存在なので

一生つきまとわれてしまう。

 

 

だからこそいろんな葛藤や悩みと関係しなくてはならず

うまくやっていくには、この「自我」の正体をよく理解するのが最善の方法

 

 

 

自己の「自我」がどういうものか

どのように形成されて、現在の「自我」を持つようになったのか

 

 

また他者の「自我」も知る必要がある。

どう形成されて、どのようなものか

 

 

この二つを知って、折り合いをつけることができれば

よい「関係感情」を構築できるが、それがまたなかなか難しい。

 

 

子どもと母親となれば、アスペ母親の「自我」の理解は不可能であって

子どもの「自己愛」は破壊され、健全な「自我」の形成は困難になる。

 

 

 

次は、健全な「自我」かな

 

 

 

 

愚か者の哲学

(P20~P25)