「政治家は心にもないことを口にするのが常なので

それを真に受ける人がいるとびっくりする」

シャルル・ド・ゴール

 

 

 

 

米国がウクライナを使ってやっているウクライナ戦争

それを発端とする悪性インフレは、実に深刻な問題で、深く考え込まされる。

 

 

おまけに、イスラエルまで戦争を始めちゃったので

米国は、現在、二つの戦域で戦争を行っている。

 

 

今の状況と比べられるのは、おそらく石油ショックまで遡る。

イスラエルがアラブ諸国を相手取った、中東戦争

 

 

原油価格が高騰し、スタグフレーションが起き

有名なケインズ殺し、ケインズ革命は死んだ。

 

 

それ以前から、ミルトン・フリードマン率いるシカゴ学派は

南米各国で、新自由主義革命を行っては、いた。

 

 

有名なのは、南米で最も豊かだったアルゼンチン

この国をしゃぶり尽くして、経済的に殺してしまった。

 

 

先進諸国で、最初に新自由主義革命が行われたのは

英国、サッチャー政権誕生によって、大量に失業者を生み出す。

 

 

彼らは、失業の定義すら、平気で変更してしまう

国民に不人気なこの革命は、混乱の最中に行われる。

 

 

 

日本が、石油ショックの時にこの革命から

逃れることができたのは、かなり幸運だった。

 

 

各種中間団体が機能していたこともあるが

やはり大東亜戦争を経験した人びと

 

 

こうした世代が、この国を背負っていたことが

大きな理由だと考えられる。

 

 

 

東日本大震災が東北を襲い、福島の事故が問題となって

またメディア全体が、攻撃対象を原発に向け

 

 

左翼活動家だけではなく、右翼まで

反原発を声高に叫び、再エネ利権に邁進していた時期があった。

 

 

よく知らかったので、討論番組を見たり

本を読んだりして、何が起きているのか、ちょっと興味を持った。

 

 

 

その討論番組で、皇室芸人の竹田恒泰が息巻いて

反原発のためにデマを飛ばしまくっていた。

 

 

西尾幹二もいきり立って、原発関係者を

怒鳴りつけていた、原発で誰も亡くなってないのに

 

 

原発関係者は平謝りに謝っていて

なんでこんなに怒られているのか、おかしなことがあるもんだなと思った。

 

 

維新利権のゴミで、中国共産党のスパイ福島香織、百田尚樹、有本香

竹田恒泰は、こいつらともお仲間、ミスター偽造署名・朝鮮軍団

 

 

このアホが原発関係者と議論をしていて

「あなたは、本当にこの国を愛してますか」

 

 

と聞かれ、泡を吹いて、あなたより愛してます、と叫んでいたが

その原発の人は、石油ショックから、紐解いて語っていた。

 

 

石油ショックの時は、かなり深刻な状況だったようで

ほんとこの国は、どうなっちゃうんだろう、とみんな悩んだという。

 

 

化石燃料の価格がどんどん上がっていく中で

この国のエネルギーをどうしたものか

 

 

大東亜戦争は、石油で追い詰められて、始まったことぐらい

当時の人は、よく理解していたようだった。

 

 

エネルギーを全面的に、化石燃料に委ねると

たいへん危険だと、おそらくその時、再認識した。

 

 

建前は、核の平和利用というお題目だったが

本質的な問題は、この国のエネルギーをどうしていくかであり

 

 

本音は、原発しかない、これは核が生み出すエネルギー量を

考えれば、当然の帰結だった。

 

 

後は、負け犬根性の染みついた日本国民に

平和利用とはいえ、核を使用することを納得してもらえるか。

 

 

強制的な物価高騰に苦しむ国民を救うには

どうしても、原発が欠かせない。

 

 

それなのに、竹田恒泰のような活動家に扇動される可能性があった。

だから原発は、安全なのだと国民に信じてもらわねばならない。

 

 

いわゆる安全神話の誕生である。

他の国でも似たところもあるが、この国では特にそれが顕著である。

 

 

憲法9条神話も似た構造を持っている。

9条を掲げているから、平和が保たれているという神話

 

 

恒久的な平和が人類に訪れることなどあり得ないにも関わらず

9条を掲げていれば、常に平和でいられる。

 

 

この謎の奇妙な論理構成は、原発の安全神話と酷似している。

この世に、絶対に安全なものなどあり得ないが

 

 

それを欺瞞に満ち、敗戦を構造化・対米従属させたい人々が

絶対に安全だという神話を作らせることで

 

 

原発という準国産エネルギーは

産み落とすことが可能となった。

 

 

 

しかし当時、この国を背負っていた人々は

日本という国家のことを、真剣に考えていた。

 

 

エネルギーの専門家だけではない。

この国の様々な分野で、国家を憂いていた。

 

 

今から半世紀以上前だから、もう90歳以上の人びとだろう。

戦後の日本の最優先目標は、みんなが豊かになることだった。

 

 

それがある程度、達成されたが、それを維持することが

いかに困難かを、現在、日本国民はずっと試されている。

 

 

白井聡という人物が、永続敗戦論を書き

文庫本になって、韓国でも翻訳出版されているらしい。

 

 

今、読んでいる最中だが、日本の戦後左翼の精神構造は

こういうものだったのか、とよく分かる本である。

 

 

彼の専門は、レーニンで、今だにマルクス・レーニン主義が

残存しており、彼らの敗北主義もなかなか面白い。

 

 

日本は右派であれ、左派であれ、精神の根幹にあるのは

いかにして、米帝国主義への隷属を正当化するかに見える。

 

 

 

日本では戦後左翼は、この国を背負っていくことを

まったく考えておらず、批判に特化している。

 

 

右であれ、左であれ、一般庶民の生活を

よくすることを、言論人は放棄してしまった。

 

 

 

実際に、この国を指導している人々も

完全に、一般庶民の生活を見捨てている。

 

 

なんとかしようと考えている人々が

この国では、在野にしかいなくなってしまった。

 

 

石油ショックとウクライナインフレの違いは

この国の指導者層が、ごっそり入れ替わったことで

 

 

対処しようがない、もっと言うなら

そもそも対処する気すらない、これが問題の本質だと言える。