羊として100年生きるくらいなら、ライオンとして1日だけ生きる方が良い」

ベニート・ムッソリーニ

 

 

 

 

 

 

 

公的支出を支援するために公的貨幣を発行する

こうした財政ファイナンスは、主流派の中でも見直しが起きている。

 

 

リーマンショックに見舞われた時、英米は「量的緩和」と称し

大量の国債を買い入れたが、欧州中央銀行(ECB)は躊躇ってしまった。

 

 

今日、ECBがリーマンショックにおいて最後の貸し手の役割を放棄したことが、

ユーロ圏の危機を招いたことは、広く認識されるに至っている。

 

 

 

 

 

コロナショックにおいて、ECBは方針を転換、

イングランド銀行やFRBと協力して、大規模な国債買いを実施した。

 

 

ドラギは、「我々はコロナウィルスとの戦いに直面しており、

それに応じての総動員が必要だ」とする書簡を送った。

 

 

「従うべきは、戦時下の金融政策である」

と非常に過激で、物騒な内容だった。

 

 

 

量的緩和と財政ファイナンスは、別物だと言い訳に必死である。

しかし過去に行われた大規模な中央銀行による国債購入となんら違いはない。

 

 

中央銀行による大恐慌、二度の世界大戦、冷戦期の国債購入と

08年~22年の国債購入ともし相違があるとすれば、単に言い方だけである。

 

 

通貨発行主体政府の財政資金調達にギャップが生じれば

政府は、中央銀行に頼むしかない。

 

 

 

 

https://www.ecb.europa.eu/ecb/access_to_documents/document/cog_minute/shared/data/ecb.dr.cgm19900911CoG_248th_Minutes.en.pdf

 

 

 

https://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/other/eb201506_article02.en.pdf

 

EU法で、政府への直接投資は、歴史上前例がないとして議論され

ロビン・リー=ペンバートンは懸念し、ジャック・ドゥ・ラロシエールは一蹴した

 

 

 

ユーロ危機の際、ECBの理事の一人は

昂然とこう言い放った。

 

 

「健全に機能する金融市場によって、倹約的な財政に恩寵を与え、

持続不可能な財政政策に罰を与えるべきである」

 

 

 

 

 

ユーロ加盟国の財政の持続可能性を低下させ、該当国内での銀行部門の安定性に

負の影響を与え、さらに国家に悪影響をもたらすというスパイラルに到る。

 

 

銀行の信用低下と、国債の格下げは相乗効果を伴い、パニックが起き

公的金融危機と民間金融危機による相乗効果が生じてしまった。

 

 

 

 

 

しかし完全に放棄できず、SMP(証券市場プログラム)を行い

総額約2200億ユーロを買い切る。

 

 

 

 

 

ブンデスバンクの担当者は、自行でやっていたことを無視することを決め込み

抗議辞任というちょっとした茶番劇を演じた。

 

 

 

結局のところ美辞麗句によって実態は隠されている。

〔中央銀行に備わった〕深い機能的制約によって、

 

 

財政ファイナンスはこれからも続くであろうことが保証されているのである。

とウィリアム・ベイトマンは、締めくくる。

 

 

 

 

もはや神学論争に決着はついてしまった。

こうなれば起きるのは、異端審問である。

 

 

健全財政という緊縮に犯された者は、邪教徒と刻印され

厳粛な異端審問官が使わされ、厳しい審問が待っている。

 

 

主流派経済学は、宗教である。

その教義に反した以上、邪教徒になる。

 

 

財政ファイナンスだと糾弾闘争していた者は、

逆に、糾弾される側になってしまった。

 

 

 

緊縮を唱える者は、邪教崇拝を行っており

悪魔の手先なのだと断罪されている。

 

 

反対に持続的な財政拡大、つまり積極財政を訴える者こそ

神の教えに叶う者であり、高らかに訴える者は、神の御使いとなる。

 

 

 

財政支出それ自体が、財政ファイナンスであるという

我々の主張は部外者であるから、受け入れられることはない。

 

 

また欧州の経済システム自体が欠陥品であり、

通貨主権と中央銀行を国家が手放す行為そのものが、自殺行為なのである。

 

 

それを元に戻さぬ限りECBは、加盟国の国債を買いまくらなければ

加盟国の財政政策は、禁じられたまま動けない。

 

 

 

オカルト宗教に欧州各国のエリートたちが染まると

一般庶民が酷い目に合って、右翼的な方向に走ることは明らかだった。

 

 

 

 

 

 

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ファシズムの台頭という悪夢を見たくないなら

緊縮財政から、超積極財政にしなければならない。

 

 

それを、英米では「量的緩和」だの「非伝統的」と言い訳できるが

欧州では不可能であり、財政ファイナンスは進化せざるを得ないのである。