「初期人類が遺した最大の遺産は、現代的な考え方だ」
スティーブン・ビンカー
そりゃールフィは、逮捕されるよね、と
普通、考える。
だって海賊、海の泥棒だもの。
でも、漫画ワンピースのルフィは泥棒していない。
なんか偶然、財宝を見つけて、食っている。
作者は、海賊物なので、実在した海賊なども参考にしている。
海賊時代の資料がたくさんあって、よく知られるのは。地中海世界。
漫画シンドバットの冒険で、描かれているのは、
その頃、イスラムが欧州を圧倒していた時期。
モルさんは鎖に繋がれた奴隷として登場した。
あの姿は、キリスト教徒がイスラムの海賊に拉致されたモノ。
なーんにも知らなかったから、ルフィを名乗って
泥棒して、みんなにお金を配ったのかなと。
藤井先生と森永康平さんの話を聞いて、ふーん。
でも、なんかちょっと違う。
この違和感、何が違うのだろうか。
おそらく餓死というものを体験しているか、
そうでないかの違いだと考えた。
これを紹介してくれて、みんな食費まで節約していると解説。
なるほどな~、と思っていた。
でも、ホームレスを襲う子どもたちのことを考えていたので、
何かが足りない、何が足りないのか。
現象学的還元は、こういう時に便利だ。
主ー客図式をやめ、現象学的図式に変更してみる。
(おかしかったら、ごめんなさい)
食費の減少、上記の図から、妥当な認識だと言える。
みんなが食費を切り詰めている。
多くの人々がそう感じているし、
実際、生活かつかつ、そんな人がたくさんいる。
しかし、一方でもっと食費にお金をかけている人たちもいるし
生きていくうえで、これ以上食費を減らせない人々もいる。
「絶対的に正しい認識」が不可能という立場にたてば、
そこまで大した問題ではないんじゃないの、
との論調も成立しないわけではない。
コロナで、女性の自殺者が一気に増加。
いろいろ突っ込みたいとこもあるが、
ここんとこ、ずっと減ってきているから、問題なし、
ということ言っている経済学者や評論家がいるだろう。
しかし人間はそう簡単に自死できない。
人間の身体や脳は、そのような構造になっている。
地球上に現れていこう99.9%が、
飢餓、殺人、干ばつ、感染症で死んできた。
それから身を守れるように進化してきた。
人間も他の種と同様、身体と脳を形成してきた
基本ルールは、いたってシンプル。
「生き延びて、遺伝子を残す」
「生き延びられるように行動する」
(アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』ちょい要約)
自殺者数に現れない、不審死なども考慮にいれない。
眼目は、自殺できなかったら、
我々はどういう行動をとるのか、だから。
大きく4つに分かれるだろう。
① 座して、「餓死」してしまった。
② 国の救済措置を受けることができた。
③ 路上に出て、生き延びた。
④ 奪って(時には殺して奪って)食って、生き延びた。
新たなルフィの誕生は、④になる。
人類の誕生は、およそ500万年前のアフリカ。
生き延びるためには何でもする、そのように
人間の身体や脳は進化してきたのだから。
こういう事態を引き起こすのは、当たり前、ごくごく自然。
黙って亡くなられた方は、「文化的」すぎた。
多くの経済学者やよく分からない経済評論家は、
「文化的」ではない、つまり人間未満。
中野さんは、彼らは封建主義者だからです、と控えめに言ったが、
自分から言わせると、「文化的な存在」ではないので、
人間未満です、と言うほかに、表現方法が思いつかない。