http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120421-00000049-mai-int



上記のニュースによれば、米国政府のシリアについての見解が、

変わったようである。



アサド政権は、崩壊間近との認識してきたが、

早期退陣は、困難なようである。



アサドを悪と決めつけ、広告代理店を使い、

反政府勢力を支援してきたが、アサドは、

国内の反政府勢力を封じ込めつつある。



非常によいことだと思う。

リビアの二の舞にならずにすんだことは、

シリアの人々にとって、たいへん安心すべきことである。



ただ、シリアとリビアは異なり、リビアは144トンもの金塊を用意し、

カダフィは、それを原資にアフリカ・アラブの統一通貨、ディナの

発行を計画していた。



これが実現すれば、ユーロとドルの大暴落は、

避けられないため、リビアに対しては、

メディアを総動員して、反政府勢力をガンガンに支援して、

潰した。



それに対し、シリアはそこまでの欧米に対する脅威はない。

ゆえに、シリアへの攻撃を止めたのだと思われる。




ロンドン在住のシリア人、イサム・アリー・カトゥラーミズは、

シリアで起きている反政府でもと、リビアの政権転覆の

共通性を指摘する。



「アサド政権は独裁的な性質を持っていますが、

 大統領は自由な選挙で選出された指導者であり、

 国民の人気が高い人物です。



私たちシリア国民が彼を支持するのは、

彼の父親が抵抗運動で有名だったことと

欧米の支配に屈しない姿勢からです。



西側メディアとアルジャジーラが、

アサド大統領をエジプトのムバラク大統領と

比較するような報道をしているのは、

”印象操作”ですね。



リビアのカダフィ転覆の時と報道パターンが

共通していることに、注意しなければなりません。」



と語っている。

さらにこうもいう。



「反政府軍に対するシリアの弾圧が大げさに

報道されていますが、武装勢力側の攻撃や、

市民が巻き込まれている銃撃戦については

取り上げられません。」



報道の仕方以外について、リビアとの共通点については、

という質問に対し、彼はこういった。



「反政府軍のメンバーです。いったい反政府軍とは

誰なのか、どこまでが本当に民衆の反乱なのか、

ということです。



リビアでは2011年3月まで、国民の間から

カダフィへの大規模な不満など聞かれませんでした。



西側メディアやアルジャジーラは、

以前からシリア内の反政府勢力に対し、



政府側が強権的な弾圧を行い

数千人の死者が出ているといって騒いでいますが、



高性能の武器を使い武力行動をする武装グループに対し、

通常の政府なら弾圧を行います。



〈平和的デモを血祭りにする政府〉というフレーズを

訳知り顔で言うジャーナリストは、

まず、現地を直接取材するべきでしょう。




しかも、その武器を供給しているのは、他国なのです。」



表面的に出ない情報をさらってゆくと、

非常に不愉快な欧米の攻勢が見えてくる。



彼らは帝国主義的、いや、植民地支配時代の

あくどい戦略から、抜け出せずにいる。



それどころか、新たなテクノロジーを悪用し、

純軍事的なカタチではなく、フェイスブックなどの企業を

使って、アラブ諸国を酷い目にあわせてきた。



純軍事的なもの、情報戦、そしてサイバー空間など

あらゆるカタチでの攻撃を行っている。



我が日本も、対米従属を止めた暁には、

そういう攻撃が、いっそう増すだろうと覚悟しなければならない。



その際、有効なのは、欧米以外の諸国との距離を

もっと縮めていくことだろう。



途中のシリア人のインタビューは、

堤未果さんの「政府は必ず嘘をつく」から、

拝借させていただいた。(無断で申し訳ありません)