初のアフリカ開催、そして南アフリカということで

治安が問題視され、別の意味で、危険な大会だった。



あのイギリスのフーリガンたちも、

ふらふら外を歩かないぐらいだった。



だが、大会のほうは、素晴らしかった。

非常に好ゲームが、多く、ほとんどの試合が

飽きさせるものではなかった。



子供も大人も、サッカー小僧たちは、

熱狂して、見てしまった。



特に、今大会の優勝国、スペインのサッカーは

あまりに魅力的で、見る人を虜にしたと思う。



昔、フランスの華麗なサッカーをシャンパンサッカー

などと名づけていたが、スペインサッカーも

パスサッカーと呼ぶより、もっと素敵な

ネーミングをつけてほしいぐらいだ。



歴史になぞらえて、無敵艦隊(アルマダともいう)

などと呼ばれていたが、ちょっと違和感があった。



準優勝国のオランダも、素晴らしいチームだった。

ドイツが軽くひねられたスペイン相手に、

前半から強いプレスをかけ、ペースを握らせなかった。



ロッペンのドリブルの素晴らしさ、

スナイデルの組み立て、絡み、すべて独創性に満ちていた。



昔、ファン・バステン、フリット(グーリット)、ライカールト

などというゴージャスなメンバーを備えていた、

あの魅力的なチームとは、比べてはいけないが、

当時と比べると、メンバー的には劣っていた。



そして、スペインと見比べても、

劣っていたといっていいだろう。



それなのに、あれだけの強さをもったチーム、

特に、ブラジルを破った試合は圧巻だった。



スペインは、スタメンの選手は当然、

素晴らしかった、シャビ、シャビ・アロンソ、

ビジャ、プジョル、ピケ、カシージャス、などなど。



でもさらに、控えの選手も凄いメンバーだった。

フェルナンド・トーレス、シェスク・ファブリガスなど

タレントが、あふれんばかりにいた。



そこが、一つ、勝敗の分かれ目になったといえる。

打つカードが、たくさんあるから、

試合展開に応じて、いくらでも様相を変えることができた。



WCの頂点にたったスペイン。



これからは、南米諸国、EU諸国、

その他の国々も、彼らをターゲットにすることになる。



イタリア、ドイツ、アルゼンチン、ブラジル

といったお馴染みの強豪国は、

このスペインを倒すべく、チームを作り、

タレントを作っていくだろう。



そういった意味で、誰が見ても、

魅力的なスペインサッカーが、

頂点にたったのは、サッカー史にとって、

有意義なことに思われる。