ウラジーミル・ソローキンの「ブロの道」。 | クリムゾンの箱

 

838作品目のSF小説は、ウラジーミル・ソローキンの「ブロの道」。

奇妙な物語なんだけども、なんだか可笑しくて笑ってしまう。
宇宙誕生時から存在する「原初の光」という存在が、地球の人間に生まれ変わっているんだけども、彼らの使命は、宇宙の調和を乱す地球を消滅させるために、人間に生まれ変わって生活している原初の光の兄弟姉妹2万3千人を見つけ出して集めること。彼ら2万3千人が集結し、23語からなる滅びの言葉を斉唱すれば地球は消滅するという話。

ブロの道は氷三部作の第一作目で、原初の光の生まれかわりである主人公のブロが、地球を消滅させるために、涙ぐましい努力で仲間を集める様子が、愛や共感、救済などのテーマで描かれる。

原初の光という新しい視点から、人類と社会、人類の救済、時間、幸福や苦しみを描いているんだろうと思う。今のところ、意外性は乏しいな。まだ三部作の第一部に当たる序盤と言った感じなので、続きに期待。