いよいよファームウェアが完成し、かつての東芝製電卓は閃光電球の露出計算専用機に再生しました。

 

使用法は実に簡単で、閃光電球の種類・ISO感度・シャッタースピードを入力するとガイドナンバーを表示します。スローシャッター側でのガイドナンバーの不規則性も関数化して補正計算しています。さらに距離を入力すれば絞り値が出ます。必要ならばフィルター選択に進めば、その露出係数も補正した絞り値を表示します。

 

データベースとしては閃光電球30種類、フィルター20種類を入力してあり、今後追加もできますが新製品が出るものでもなし、まずその必要はないでしょう。

 

その他の機能として、感度とシャッタースピードは1単位で最高65535まで入力できますが、100,200,400とか、1/125、1/250などの系列値は簡単に入力できるとか、ポピュラーな閃光電球の選択はショートカットでひと押し、などの配慮をしました。もちろん履歴の自動保存や、良く使う設定のメモリーもあります。説明書なしで使え、しかも便利さが必要充分という機能バランスはこのあたりだと思います。

 

電源は内部で3.3Vに変換するので単三1本から3本まで任意で、本数により稼働時間が変わるだけです。写真で挿入中の電池はかつて富士フィルムが販売していたアメリカ製のリチウム単三で、25年位は昔の買い置きです。この長期保存性、ならびに漏液の心配の低さはリチウム電池以外にはあり得ないのです(とにかくリチウム電池至上主義ですので)。

 

なお、ISO感度が最高65535というのは低く思われるかも知れませんが、フラッシュ撮影でそこまで超高感度が欲しくなる状況、例えば遠距離を手元から照射すると近くの物体や大気中の塵芥の反射が被るため元々実用的ではありません。しかしいざそれ以上の高感度への対応が必要となってもソフト的な対処だけで済むので、その時考えれば良いことだと思っています。

元の電池4本目だった部分を占めるのはファームウェア書き込み端子で、アップデートするにも分解の必要はありません。

 

 

完成し使ってみての感想は「便利」の一言しかありません。自画自賛ですが、私の閃光電球道楽で始めた工作の最後を飾るにふさわしい出来栄えとなりました。

 

これにて約1年半の間、何かをやっては次を思いつき、で延長を繰り返してきた全ブロジェクトの終了です。次回以降では振り返りや付記事項を述べます。