前回までの試作結果に基づき、プリント基板を起こして完成系へと歩を進めました。事前にあった改造スペースの懸念ですが、閉じられた上半部にも多少ある空間にコネクタとスイッチ一つは収納できたので、あまり苦労は無く仕上がっています。

2個の CR2032コイン電池で全ての電源を賄うもので、発光機能だけを見れば紹介済の電子カメラ対応・6V系に当たり、これにタイミング制御が加わった形です。また例によって電源スイッチは設けず、閃光電球が入っていると操作待機になるようにしましたが、待機電力は腕時計よりも桁違いに少なく全く無視できます。

 

カメラのシャッター・タイムラグは最高で127msまでの各機種に対応します。これならば相当に反応の遅いカメラまでカバー可能でしょう。タイムラグ値は可変ノブによる設定、およびプリセット値への切り替えにより複数のカメラに対応できます。このあたりの機能は今後も変更が必要とあらば、ファームウェアの書き換えで可能です。

 

前回のシステム構成の想定では「発光器からケーブル2本が出る」と書きましたが、コネクタは側面に設けた一個だけに集約できました。なお、カメラ側のプラグは特殊な部品なので、安価なサードパーティ製のリモートスイッチやそのオプションのケーブルを利用しています。

このケーブルの差し替えにより以下の三種類の動作が選択できます。

 

 

    (1) X接点シンクロ端子に接続する通常型としての使用

  (2) リモートスイッチによるフォーカス/シャッター操作

  (3) 発光器のスイッチによるフォーカス/シャッター操作

 

(3) の「発光器のスイッチ」とは頭頂部に出した押しボタンで、小さいながらもフォーカス/シャッターの二段階動作をします。テスト用程度のつもりで付けましたが、ケーブル1本で運用できるのは簡便なので結局よく利用しており、変なカメラの構え方にはなりますが、レンズが重量級でもなければ何とか使えます。操作性が第一の場面ならば嵩張りますが汎用のL字型ブラケットにリモートスイッチを縛り付けてしまうのが手です(後に無線化の試みもしています)。

あとは小さなことですが、ナショナルPB-5には背面色がなぜかアイボリーとグレーの2種類があるので、以前の高電圧発光器とは使い分けができました。

 

これにて発光器の最終目標としてきた、電子カメラのフォーカルプレィン高速シャッターへの適用も計画終了です。次回から結果を振り返ってみます。