もっと猫と仲良くなるためのデータ集。
今回は、『猫の複数飼いなら知っていたい!仲が良い&良くない猫同士が見せる行動とは?』についてです。
≪以下転載≫
猫の複数飼いなら知っていたい!仲が良い&良くない猫同士が見せる行動とは?
2020/9/14(月) 12:05配信 ねこのきもちWeb編集室
猫を多頭飼いしていると、それぞれの相性が気になりませんか? 実際のところ、仲が良いのか悪いのか…気になってしまう飼い主さんも多いはず。そこで今回は、「仲良しの猫同士・仲が良くない猫同士が見せる行動」や「仲が良くない猫たちに対して飼い主さんができること」などを、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。猫の仲が良い・良くないについては、まずは猫の習性である「縄張り」について理解する必要があるようです。
★猫にとって「縄張り意識」とは
一般に、猫は性別にかかわらず個々に縄張りを持ち、基本的には単独で生活をします。そのため、「繁殖や食事(餌場・狩場)のライバルになる」と認識した相手には、本能的に自分の縄張りから追い出そうと攻撃的にふるまう傾向があります。
ただその一方で、たとえばきょうだい猫や母猫など、成猫になって縄張りを主張するようになる以前から一緒に過ごしている相手や、血縁がなくても性格的に合う相手だった場合には、さほど激しく縄張りを主張せず、自分の縄張りの中で共存することを許容する行動もします。これは、室内飼育の猫にも当てはまります。
室内飼育の同居猫が仲良く見える理由
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室内飼育の猫の場合、その猫にとっての縄張りは「家の中で自分が自由に行き来できる範囲全体」で、同居猫がいる場合には、その個々の縄張りが重なり合っている状況と考えられます。そうした環境で猫同士が仲良く過ごしているのであれば、お互いの縄張りの中で相手が過ごすことを認め合っている状況だともいえるでしょう。
同居猫同士の仲が良くないと…
一方、仲が良くない猫同士だと、自分の縄張りに相手が入ることを快くは思わず、積極的に攻撃して追い出そうとします。もしくは、争わないように互いに相手を避けて行動する傾向があります。
★仲良しな猫同士が見せる行動
仲が良い猫同士の場合は、互いの鼻先をつけるあいさつを交わしたり、近い距離でくつろいで過ごしたりします。
また、とくに若い猫の場合は喧嘩のような激しいじゃれあいを仕掛けていくことも。ただし、出血を伴うような怪我をすることはほとんどなく、じゃれあいがひと段落したら互いに傍でくつろぐなど、穏やかに過ごす姿も頻繁に見られるのが一般的です。
これはお互いが相手の猫に対し、「自身の縄張りの中に受け入れてもいい相手」と認識しているためと考えられます。
とても仲が良い場合にはグルーミングも!
猫同士の仲がとても良い場合は、グルーミングをしあったり、同じ場所でくっついて寝たりなどの姿が見られることも。これは相手の猫に対して、親密な仲間意識があると考えられます。ただ、血縁のない猫同士で、そのような状況に至るきっかけや理由などについては、詳しくはわかっていません。人間同様に、性格や相性のようなものがある可能性も否定はできないでしょう。
★仲が良くない猫同士が見せる行動
残念ながら猫同士の仲が良くない場合、喧嘩をしないまでも2匹がある程度の距離感を保ち、相手の行動に干渉しない(もしくは相手の前には姿を見せない)ように振る舞います。また、相手との距離感を不快だと感じた際には、威嚇したりその場を離れるなど、「相手を受け入れない意思表示」をする傾向も。これは前述のとおり、猫が本来は個々に縄張りを持ち、単独で生活する動物であることが関わっています。
仲良くなりにくい猫の傾向とは
猫の相性についてですが、下記のような猫の場合は自分の縄張りに対する意識が比較的強い傾向があるため、仲良くなりにくいこともあるようです。
・もともと警戒心が非常に強い性格の猫や高齢猫の場合
・先住猫と新入り猫の性別が同じ場合
・不妊手術をしていない(もしくはある程度成長してから手術を受けた)猫同士の場合
★猫の立場の強さは?
なお、猫の立場の強さは、下記のようなことにも多少影響されるようです。
年齢
成長期の猫よりも、成猫のほうが縄張りに対するこだわりが強く、年々それが増していく傾向があります。
性別
やや高齢の雌猫では、縄張りを守ろうとする主張が雄以上に強く見られる場合があります。また、先住猫と新入りの猫の性別が一緒だと、縄張りを争うライバル関係になりやすいことも。
先住か否か
新顔の猫は「縄張りに侵入した立場の猫」になるため、先住が新入りを激しく追い出そうとするケースも。
猫の立場の強さは上記のようなことも関係してきますが、基本的にはもともと持っている気性の激しさや、警戒心などの個性によって影響を受けます。
そのため、先住猫が縄張り意識がさほど強くない、おおらかな気質の猫であったとしても、新入り猫が自己主張の強い性格だと、先住猫に大きくストレスがかかってしまい結果的に仲良くできないケースもあります。
★猫同士の仲が良くない場合は、「住み分け」を検討しよう
愛猫同士の仲が良くないときには、住み分けをするほうが落ち着いて過ごせる傾向があります。これは、個々の猫が過ごす空間を人間があらかじめ区切っておくという考え方。
具体的には……
・扉を閉められる別々の部屋で過ごさせる
・1階と2階などフロアを分けて自由に行き来をさせないようにした上で、それぞれにトイレや水、くつろげる場所などを用意し自由に過ごさせる
といった対応です。
それぞれ大きいサイズのキャットケージで過ごさせるのもOK
もし住居の構造上、それぞれの猫に十分な生活スペースが確保しにくい場合には、ある程度自由に動けるような大きいサイズの「キャットケージ」を用意して、それぞれその中で過ごさせる方法もあります。
その場合は……
・各ケージを相手の姿が見えない場所に設置する
・(上記が難しい場合)間仕切り(パーテーション)などで互いが見えないように遮る
などの対応をするのがよいでしょう。
多頭飼いで猫同士が仲良く過ごせればなによりですが、もし相性が合わないようであれば、住み分けを考えてあげるのが猫のためにもよさそうです。ぜひ、検討してみてくださいね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/sorami
ねこのきもちWeb編集室
~転載ココマデ~
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