Crier cries... -19ページ目

Crier cries...

誰にもいえない、心の叫び。

どんなに望んでも時間は戻らない。


過去は時間が経つにつれて輝かしいものになって、


ちっとも色褪せてなんてくれない。


「時間が解決してくれる」なんて誰が言ったのか。


そんなの嘘ばっかり。


過ぎ去ったものばかりがキラキラしてあたしを振り返らせる。


嗚呼、愚かだと言われてもいい、


それでも過去をこの手に取り戻すことができたなら。

捨てられるのが怖いから、自分から捨てようとする。


でも、そうとは気づかれないように笑顔を振りまいていると、


次第に心が麻痺していくんだ。


あたしはあたしを守るために、


あたしじゃないものになっていく。

あたしが不幸だとは思わない。


ひとりぼっちだといっても疎外されてきたわけではないし、


健康的、経済的、学力的にも、申し分なくいまを生きている。


どちらかといえば、たぶん、恵まれた人生。


それなのに。


なんで満足できないんだろう。


なんで、こんなにも心が空っぽなのか。


あたしがいけないのなら、変わりたいと思う。


あたしが変わることで心が豊かになれるのなら、そうしたい。


でも、いまのあたしでは、どこへ行けばいいか分からなくて。


まるで道に迷って途方にくれている子供みたいに、立ち止まったままでいる。

たとえばつらい夢を見るとか、


眠りが浅くて疲労が蓄積していくとか、


そういうひとは可哀想。


あたしにとって眠りは唯一の逃げ場所。


孤独な現実から解放される、安らぎの時。


だからあたしは眠る。


考えることを、すべて放棄して。


幸福な夢を見られなくても、


真っ白に塗りつぶされた世界でただ沈んでいられればいい。

あたしの形を教えてくれたひと。


あたしを選んで、あたしのほしいものをくれた。


あのひとはいつも言っていた。


「あたししかいない」と。


「ずっとずっと好きでいる」と。


でも、あたしは永遠なんて信じなかった。


どんな関係もいつか終わることがあるって知っていた。


あたしがそう言うと、


あのひとは少し哀しそうな顔をして怒ってくれたけど。


寂しさに耐えられなくなって放り出したあたしを


あのひとは追いかけてくれなかった。


離れれば、いつか忘れていく。


絶対に失われないものなどないことを証明してくれる。


永遠や、絶対が、ないことを知っていたあたしだけど、


いまはそんなこと知りたくもない。