Crier cries... -16ページ目

Crier cries...

誰にもいえない、心の叫び。

あたしの友人で、将来を約束する相手と出会ったひとが何人かいる。


あたりまえのことだけど、将来を約束するということは、


そのひとが自分にとって最後のひとになるということ。


その後に続く可能性をすべて切り捨ててたったひとつを選ぶということ。


不確定な未来を、自分の判断で確定すること。


すごい、ことだ。


「いつか貴方も運命のひとに出会えるよ」なんて科白はよく聞くけど、


そう思えるひとに一生出会えないひとだって、

たとえ出会えても気づけないひとだってたくさんいるのに。


あたしは、どうなんだろう。


あたしにとってのあのひとは、どういう存在だったんだろう。


いまはまだ分からない。


まだ。

「飲む機会作ってくださいよ~」なんて軽く言われて、なぜかあたしが席を用意する。


そのひとは、あたしが一時期ちょっと気になっていた男性。


お目当ての女性はあたしの大好きな先輩。


男性の一方的な想いだとは知っていてもなんとなく面白くないのは


大好きなひとを取られるような気持ちになるからだろうか。


それでも、いいんだ。


ふたりを繋げる役割を果たす間、あたしは必要とされてるってこと。


だから、利用されるのはいい。


ただ、あたしはそこにいなくてもいいでしょう?


ちゃんと誘うから。


素敵なお店を予約して、ふたりが楽しめるように頑張るから。


お願い、そこにあたしなんかいらないってことを思い知らせないで。

明晰夢というものがある。


夢の中でこれは夢だということを悟り、


自分の思ったとおりの行動ができるどころか


そのストーリーさえも自分の意思によって操作することができる。


そこは、不可能を可能にできる世界。


空を羽ばたくことも、風のように走ることもできる。


現実では決して手に入れられない自由がそこにはある。


せめて夢の中くらい、なりたいあたしになれたら。


そう願ってしまうのは愚かなことだろうか。


明晰夢を見たことはないけれど、


そんなささやかな願いを抱きながらあたしは今日も眠りに就くのだ。

過大評価されるのが嫌い。


たとえそれが適切な評価だったとしても、高く評価されるのは嫌い。


あたしなんかに期待を寄せてくれるのは喜ぶべきことだけど、


「あなたならできて当然」と思われるのがすごくすごく嫌なんだ。


あたしの何を知って、そう保証するの?


もしできなかったら、できないあたしは認めてもらえないの?


そう考えると、怖くて。


実力の半分も出せる気がしない。


だからね、蔑んでもらっていい。


「お前になどできるはずがない」と。


その方が、きっと本当のあたしの実力を見せてあげられるから。

必要とすること。


あたしが誰かを求めて、相手が応えてくれること。


受け入れてもらえる幸福感があたしを満たす。




必要とされること。


誰かがあたしを求めて、あたしがそれに応えること。


あたしの存在がはっきりと形になる安堵があたしを満たす。




それはどちらも幸せなことで、


それを与えてくれるのはかけがえのないひと。


ひとつひとつの喜びを胸に抱いて、あたしは今日も生きてる。