Crier cries... -11ページ目

Crier cries...

誰にもいえない、心の叫び。

しばらくの穏やかな時間があって、


それなりに楽しく過ごしてきたけれど、


やっぱりそれも有限。


あたしとあのひとは、4月下旬頃から距離を置くことに決めた。


もう2週間以上、連絡を取っていない。


付き合い始めてから3年半の間に2度別れて、2度とも復縁したあたし達だけど、


別れていたと言っても結局は連絡を取ったりして、


1週間に1度程度は会って話し合いをしていた。


あの時よりは、今の方が遥かに距離を感じている。


かといって、嫌いになったとか、別れるつもりだとか、


そういうことは今のところ考えていない。


「お互いが落ち着くまで」という名目の距離が、あたし達を隔てている。


その先に、何があるかも分からないまま。


あたし達にお似合いな不透明な時間を、あたしは心地よくすら感じている。

5年以上の時を付き合って、別れた恋人達。


立て続けにそんな話を聞いて、動揺しているあたしがいる。


あたしが話を聞いたのは、どっちもオンナノコ。


物怖じせず、はきはきと自分の考えを言える、頭のいいコ。


あたしとは全然違うタイプのオンナノコ達。


ふたりとも、長い時間付き合った彼を振った。


振ったその時には、次に付き合うひとがそばに居た。


魅力的なオンナノコだから、別にそれをどうこう言うつもりはないし、


言える立場にもない。


振った理由は「彼との将来が見えないから」。


ゆらゆらしてるあたしと同じ。


あたしは彼女達と違って人をひきつける魅力もないし


今この手の中にある温もりを手放す勇気もないけど、


たとえばその勇気を持てたなら、新たな一歩が踏み出せるのだろうか。


3年半付き合ってきたあのひととは、今、距離を置いている。


「二人とも忙しいから、今はお互い自分のことを頑張ろう」というあたしの言葉を


あのひとはどれだけ信じただろうか。


ゆらゆら、ゆらゆら。


ひとりになって考える。


もうずっと、答えの出ない問いを考え続けてる。

あたしはひとと話すのが苦手で、


特にふたりきりで話すのがいやでしかたない。


楽しくない時間を過ごさせていたらどうしよう、とか


もっと他のひとと話したいと思っているんじゃないか、とか


不安は尽きなくて。


それは、あのひとといても同じこと。


あのひとが他の誰かと楽しそうに笑っていると安心する。


あたしには見せてくれない底抜けの笑顔が、そこにあるから。


遠くから見ているしか出来なかったとき心惹かれたその笑顔を、


一緒にいるあたしにも引き出せたらいいのに。

謝るだけなら、本当にそれだけなら、しない方がマシ。


本当に謝罪の気持ちがあるなら、言葉だけじゃなくて行動で示せるはず。


言葉だけで許しを請うのなんてあたしは認めない。


それがあたしのポリシーだった。


でも、どうか今回だけ。


なにもしてあげられないけれど、懺悔させてほしい。


取り返しのつかない怪我をするんじゃないかと心配するあまり、


あのひとの自由を取り上げるあたしのエゴを。


あのひとは、同じ状況であたしの願いを後押ししてくれたに、


あたしは正反対のことをしている。


ごめんね。でも怖いの。あのひとを、何者からも奪われたくないの。


だから、今までのように「あなたの望むように」とは言わない。


あのひとはあたしを少しだけ恨むかもしれないけれど、それでもいいよ。


謝るけど、取り消さない。


あなたが当たり前にそこにいてくれる幸せを、どうしても守りたいから。

あたしと約束する前に、他の人たちと約束をしてしまっていたあのひと。


あのひとの誕生日にいちばん近い休日は、


あたしではなくあたし以外の誰かのものになってしまった。


内緒だけどね。

いろいろ、考えてたんだよ。

言わないけどね。


一緒にいられると思っていたんだよ。


哀しみがほんの一雫、またあたしの中にぽとりと落ちた。