中小企業の新たな力を引き出し競争力を底上げ
関東経済産業局は、中小製造業の医療機器分野への進出を加速させます。全国の医療機器生産額の約6割を、関東経産局管内の企業が占めるためです。医療機器分野は、世界的に成長が見込める分野で、安倍政権の成長戦略の1つ。既存の企業だけでなく、ものづくりの技術に優れた中小企業の新たな力を引きだし、国内の医療機器産業の競争力を底上げしたい考えです。
8000億円の輸入超過の日本市場

同局によると、平成22(2010)~平成31(2019)年に医療機器産業の世界市場は69%成長するとみられています。これに対し、日本市場は40%。平成27(2015)年時点の輸出入額を見ると、約8000億円の輸入超過です。日本製機器が高性能なのは世界的に知られていますが、価格競争になると中国などの低価格製品にかなわない。一方、国内の医療機関は、精度の高い海外製品に走るという状況が招いた形です。優れた技術を持ちながら、世界に存在感を発揮できていないのは、実にモッタイナイ。日本のメーカーの半数以上が資本金1億円以下の中小企業という事情もあるのでしょう。
医療現場と企業の橋渡しのために
同局は、医療現場と企業の橋渡しを目指しており、具体的な対策としては、今年7~9月に、東京都大田区や川崎市、神戸市で医師のアイデアを事業化に結びつける「臨床ニーズ発掘セミナー」を開きます。製造業や大学の研究者らを集め、臨床医が現場でどんな機器を必要としているかを共有します。10月には、札幌市で開く病院勤務医の全国会議で企業の製品展示も開きます。
現場と役所の溝埋めは必須
こうしたセミナーを通じて、事業化できそうな案件を絞り込んでいく方針。いわば、安倍政権の肝入りで発足した日本医療研究開発機構(AMED)の関東版のような役割です。ただし、中小企業の声を聞くと、現場的な危機感が最も薄いのが、こうした「役所」だと言います。溝を埋めるべく頑張ってほしいものです。
[2017.6.19]