
¥1,575
Amazon.co.jp
「やられた・・」「そんな馬鹿な!」「こんなのありかよ!」
というのが読み終わった後の第一声でした。
第31回横溝正史ミステリ大賞受賞作で
ある高校のバスケ部で起こった失踪事件について
語り部の「僕」椎名康が真相を追うという学園ミステリもの。
久しぶりに正統派の学園ものを読んだ気がした。
ライトノベルが世を席捲している昨今、
小説を読むと登場するキャラクターに「キャラ」が浮かぶというのがある。
(例えば「ツンデレ」とか「メガネ委員長」「ロリッ子」など・・)
批評家の東浩紀が言うところのゲーム的リアリズム、
ライトノベル的データベースと呼ばれるものなのだが、
今作については、私はあまり感じられなかったのだ。
その対極である、所謂自然主義的リアリズムの方が強く出ていると思われたのだが、
それが終盤になると・・・。すべてが違う物語となって再び始まるのだ。
ミステリ小説を読み終えると大概の場合、すっきり安心して
しばらくは読み返そうとは思わないのものだが、
これについては読後すぐに最初の1ページ目に戻った。
この「そんなバカな・・」という衝撃は、個人的には
筒井康隆の「ロートレック殺人事件」以来だ。
また間違いなく映像化不可能の作品であり、
小説という形態ならではの表現が間違いなく存在すると
あらためて実感した。