マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか? | 休憩室のMonologue

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マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか? (P‐Vine BOOKS)/アフロダイテ・ジョーンズ
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2005年に行われたマイケルジャクソンの
「少年性的虐待疑惑」の裁判についての本ですが、
読むとこれがいかに馬鹿げたもので、
どうしようもないほどの茶番だったことがよく分かります。

著者である女性記者は裁判が始まる前から
マイケルの有罪を確信・妄信して
偏向報道を繰り返していましたが、裁判を傍聴しているうちに
誤りに気付き、マイケルの無罪を確信するようになり、
またそれまでマイケルを根拠もなく
批判し続けていた自らの行動に深く恥じ入っていく訳ですが。

要は「ゆすり・たかり」の類の話なんですね。
刑事裁判に持ち込めたこと自体がおかしいくらいです、本当に。
検察はマイケルを犯罪者にしようと躍起になり、
それに追従するようにメディアも裁判についてろくに検証もせず、
煽り立てる報道ばかりを繰り返し、マイケルに有利な証言等は
全くと言っていいほど報道しなかったとは・・・。
しかも無罪確定後、自らの偏向報道を認めたメディアは
ほんの一握りだったそうで、無罪判決となったとしても
スーパースターが転落していく姿をメディアは喜んで報道していた、
というのはあまりにも恐ろしく、
そして本当に憤慨するし、悲しなる話です。

何故ここまでマイケル・ジャクソンは
人々から誹謗・中傷されなければならなかったのか?
マイケルの死後に出版されたRollingStones誌による
「マイケル・ジャクソン インタビューブック」でも
記事を書いている人間は皆、第三者的にマイケル・ジャクソンが
ポップスターとして偉大な存在であったことは認めつつも、
どこか何かしら冷たい視線を向けているのが非常に不思議でしたが、
その中で取り上げられている文章の中で印象的なものがあります。
「マイケル・ジャクソン騒動は興味深い。
 もはや主役はジャクソンではないからだ。
 彼がそれに早く気付き、成功という人間を食い殺す
 化け物の牙から逃げられることを祈る。
 あれだけのことをしてきた男だ。
 まあ簡単には許してもらえないだろうが。
 この騒ぎの真の主役、それはアメリカだ。
 黒人の生活と富を牛耳る不誠実な国が主役なのだ。
 そしてその国に生きる黒人、特に男性も同じだ。
 ほかにある。アメリカの犯してきた深い罪、
 セックスとセックスの役割とセックスに関するパニック、
 金と成功と失望(後略)」ジェームズ・ボールドウィン(85年)

これは決してマイケル・ジャクソンだけの話ではなく、
またアメリカだけの話でもなく
日本でも同じような話、状況は数多くあるわけですよね。
全くもって笑えないというか、なんというか。
どこの国でも似たようなことがあるかと・・・と気が滅入ってきます。

ただマイケルジャクソンが一般庶民からすると
変わった人間であることは否定できないし、
また非常に誠実で優しい人間であることは間違いありませんが、
その自分の行動、言動が周りにどんな影響を及ぼすかについては
あまりに無頓着だったというのは認めざるをえません。
それを忠告、警告してくれる人間がいなかったのか、
そういった信頼できる人間が周りにおらず、
みんな金と名声を求めるばかりだったのかと思うと非常に残念で、
あまりにも寂しいです。
この本を読んでいると、こんな謂れのない誹謗・中傷の嵐に
巻き込まれてしまったマイケル・ジャクソンが本当に不憫に思えてなりません。

スーパースターは孤独だとよく言われますが、
そんなマイケル・ジャクソンの姿が浮かび上がる一冊でもあります。