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応化二年二月十一日未明、“救国”をかかげる佐官グループが
第1空挺団と第32歩兵連隊を率いて首都を制圧。
同日正午、首都の反乱軍は“救国臨時政府樹立”を宣言。
国軍は政府軍と反乱軍に二分した。
内乱勃発の年の春にすべての公立学校は休校となった。
そして、両親を亡くした七歳と十一ヶ月の佐々木海人は、
妹の恵と、まだ二歳になったばかりの弟の隆を守るために、
手段を選ばず生きていくことを選択した―。(amazon.co.jpより)
近未来の日本という設定だが、今現在の日本だと考えて間違いない。
あえて強引に例えれば、「火垂るの墓」の兄弟が、
村上龍の「五分後の世界」に巻き込まれ
「スターウォーズ」のダースベイダーになっていく・・・という感じか。
もし今の日本がこういった中東のような内乱状態に陥ったら、
と考えるとぞっとする。
戦争の悲惨さ、残酷さ、不条理が執拗に描かれている。
村上龍の「五分後の世界」を読んだときにもそうだったが、
戦争が日常的に行われている世界では
「戦争は罪である」「人を殺してはいけません」
といった理想論が薄っぺらいものに思えてくる。逆に怖くなる。
しかし、本作品の読後感は非常に爽快なのが不思議だ。
それは主人公の行動はあくまで家族を守るためで、
その行動がぶれることなく
生き抜いていく姿がたくましく見えるからだろう。
(もちろん悪事にも手を染めていくわけだけど・・)
「愚者と愚者」「覇者と覇者」と続編があるのだが、
著者である打海文三氏が急死したため
3作目の「覇者と覇者」が未完で終わっているのが
なんとも残念でならない。
あと2章分残っていたのだが・・・。
ちなみに文庫本でのジャケットがアニメチック?な為、
ライトノベルだと思われがちの様ですが、
「断じて違う!」と声を大にして言いたいです。