シューマン 交響曲「ライン」 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

今日も殆ど聴いていなかったレコードの中から、
ワルター/ニューヨーク・フィルによるシューマンの
交響曲第3番「ライン」を取り出した。

宇野功芳氏の著書「ブルーノ・ワルター」の中に取り上げて
あるのを読んで、このレコードを買ったと記憶している。
どんな評価の記述であったかは覚えていないが、ワルター
を尊敬していた氏のことだから、悪くはなかったはず、むしろ
良い評価だったからこそ、聴いてみたくて買ったのだろう。


輸入盤でかなり反っているので、カートリッヂの針圧を高め
にして聴く。
鳴り出した音はモノーラルとは言え、非常に劣悪だ。
殆ど聴いていなかった理由が思い出せた。
まあ、それはさておき、冒頭からテンポが速い。勢いがある。
ぐいぐい押し進む。強引なほどの感じだ。

疑いもなく若いワルター。晩年のコロンビア響からは想像し

難いスピードと勢い。


これは第2楽章に入っても同じ。情緒的なメロディのところ
でもなんのその。むしろ、内から溢れる精神的エネルギーが
こぼれ出るように感じられる節もある。


しかし、第3楽章はすんなりあっさりと、印象なく終わって
しまった。
私には不満だったので、後にバーンスタインのCDでこの
楽章だけ聴くと、全く印象は違っていた。ゆっくりと遅いテンポ
でこまやかなニュアンスに富んでいた。
演奏期間は6分10秒。ワルターは4分14秒。 この違い!


第4楽章 ケルンの大寺院での式典に示唆されて作曲された
らしいと言われるが、それらしいい荘厳・壮麗な響きは、この
交響曲の中で一際印象的である。
早めのテンポでのブラスの壮麗さが目立つが、最後のテインパニ
の強打には、さすがにずっしりと重厚感がある。


長い間があって、第5楽章に入る。
長い間と言っても、楽章の間だからそれで普通なのだろうが、
私は殆ど間がなくて演奏されるのが好きだ。
だから、ことさら長めに感じたのだろう。

これまでのテンポから、ここはぐいぐいと速いテンポでの推進性
を期待したが、そうではなくて割合おとなしく、強弱があったり楽
器の色彩の彩などが聴かれて、これまでの楽章とは趣きが違う。
これまではニューヨーク・フィルの主体性に任せていたワルター
が、ここになって、オーケストラを自分の意図するようにコントロ
ールしているとでも言うのだろうか?


ちなみに、演奏時間を見ると、なんと、ここに至ってバーンスタイン
と逆転している。 バーンスタインが5分28秒に対して、ワルターは
5分34秒。ワルターの方が少しではあるが遅かった!