NHKのBSでエルサレム弦楽四重奏団のロンドンに
おけるコンサート(今年の2月)の模様を放送していた。
1993年に結成された四重奏団で、私にとっては聴く
のが初めてであった。
弦四のコンサートは演奏会の中でも最も地味なもの
で、実際生で聴いたことは2~3回しかない。
テレビで演奏の様子を見られることは有難いことで、
アンサンブルの厳しさ・取り組みの真剣さがよく分かる
思いがする。
今日見ていて、奏者の表情が富んでいるのがとりわけ
印象的で、それに合致するように演奏自体も大変表情
豊かに聞こえるのであった。
最初の曲はベートーヴェンの作品95 ヘ短調
「厳粛」であったが、ベートーヴェンの感情が露骨な
程に表出された演奏と言えるのではないか、と思った。
この曲については以前に書いているので、それを読み
返してみると、第3楽章がニ長調とは不思議。そんな
明るい音楽に聞こえないが、とか逆に第4楽章がヘ短調
であるのに明るい曲想とか。
http://ameblo.jp/crest-my7/entry-10015810414.html
自分では、そんなことをすっかり忘れているから面白い。
まあ、今日聴いてもその2つの楽章が最も聞き覚えの
ある音楽で、心惹かれるものがあった。
この後、ボロディンの弦四第2番から第3楽章「夜想曲」。
これは美しい曲ですね。
そしてショスタコーヴィチのバレー曲か何かを作曲家自身
が弦四のために編曲したものが演奏された。
これはいかにもショスタコーヴィチ風の滑稽味に溢れる
音楽で面白かった。