昨日聴いて感動したフルトヴェングラー/ベルリンフィルに
よるブラームスの交響曲第4番について。
第一楽章 アウフタクトが長い。そして、ゆっくりと悠然と
始められる。しかし、意外にも早くテンポが早められる。
フルトヴェングラーらしくテンポがころころ変わるのか、と
思うと、そうでもなくそのまま進んで、出だしの感じとは
違って、きりっと締まった演奏。 提示部の終りでの2発の
ティンパニの強打は、その引き締まった演奏を象徴するか
のように、ぴしっと決まる。
進むにつれて迫力が感じられ、コーダでのスピードと燃焼度
は凄く、昔SPで聴いたワルターに似ている。
第二楽章 ゆるやかに静かな表情に始まるが、次第次第
に豊かな情感が伝わってきた。評論家U氏が、ブラームスを
あまり買わないのは曲に拡がりを欠くからだと、何かに書いて
いるのを読んだことがあるが、どうしてどうして、この演奏を聴
いていると全くそんなことは感じられない、すばらしく大きな演
奏に思え、心の中に豊かな情感がじんわりと広がるのを感じた。
とても素敵な第2楽章で、先ずここで深い感動を覚えた。
第三楽章 速いテンポで勢いがすこぶるいい。
トリオは大袈裟な対照を作るように遅いテンポ。
再び最初のテーマに戻る時の爆発的エネルギーは凄い。
その凄さが最後まで続いて、今度はその情熱に感動。
第四楽章 最初から迫力ある雰囲気を感じる。そして、やがて
その演奏には、私がのめり込まれるような吸引力があって凄い。
中程の静寂な所でのフルートには、ほろりとした。
そして、最後に向かっての燃焼と迫力は壮絶で、スピード感と共
にそれが最高に達したところで、大きな溜めと音の引き伸ばしで
閉じられる。
衝撃的とでも言えるような感動と、この楽章の偉大さを改めて
思った。
過剰な表現だとの批判があるかも知れないが、気迫のこもった
迫力は、興奮の感動に聴き手を包み込むことは間違いない。
ちなみに、「とにかくこの曲のフルトヴェングラーの演奏は「麻薬」
みたいなもので、それに毒されてしまうと、他の演奏を受け付け
なくなる」と書かれたサイト※を見つけた。
そのサイトによると、フルトヴェングラーによるこの曲の録音は
ライヴだけで4種類ある。いずれも「名演」のようで、中でも1948
年10月24日の演奏を「決定盤」としておられる。
残念ながら、私のLP盤(U.S.A.製)に録音データが書かれてない
ので何時のライヴか分からない。
それに、音質が非常に悪い上に、聴衆の咳払いの多いのが惜しい。
※http://classic.music.coocan.jp/sym/brahms4.htm