久しぶりにテレマンです。
「二重、三重協奏曲集」と題された一枚で、
ホグウッドの指揮(兼ハープシコード)、エンシェント室内
管弦楽団の演奏のLP盤。
(1)三つのトランペットのための協奏曲 ニ長調
第一楽章は緩急の2つの部分から成り、トランペットと
ティンパニが祝祭的な気分を醸し出します。
急の部分ではティンパニの連打もあって、一層その気分を
盛り上げ、華やかさを加えています。
第二楽章は弦のみのゆるやかな音楽で、第三楽章で再び
華やかさが戻りますが、テレマンの哀調を帯びています。
・・・・・と思いきや、解説に「第三楽章にはトランペットは
登場しない」とあります。ミスプリントと思ったのですが、
もしかして、第一楽章は緩急の2つの部分から成り、と
思ったのは、実は緩=第1楽章、急=第2楽章だったの
でしょうか? 切れ目なく演奏されていたのですが・・・・。
(2)リコーダーとフルートのための協奏曲 ホ短調
緩ー急ー緩ー急の4楽章から成ります。これ間違いなし(苦笑)。
第一楽章は2本の笛の音色と短調が、テレマン特有の哀愁を
濃く表していて、テレマン好きにはたまらないです。
第二楽章 弦の活発な旋律の後に、笛の細かい動きが続く。
第三楽章 短い序奏にリコーダーがしんみり歌い、それに
フルートが、また2本の笛が続きますが、弦のピッチカートだけの
伴奏に特徴があります。最後は短い後奏で終わります。
第四楽章 目まぐるしいほどの速い笛の演奏が、元気旺盛で
力強い弦の旋律に挟まれて極めて快活な音楽です。
「4つの楽章の性格の対比の妙が見事に調和した名品」と
解説にありました。
(3)フルート、オーボエ・ダモーレ、ヴィオラ・ダモーレのための
協奏曲 ホ長調
これも同じように4つの楽章で、先ずは身体をやさしく撫でるような
感じに始まり、速い楽章にしては地味な曲想の第2楽章が、
そしてテレマン風哀調の漂う第3楽章には一寸風変わりに聞こえる
第4楽章へと繋がります。アレグロというよりモデラートでしょうか、
終楽章にしては華やかさは薄くて、渋みのある楽想です。その渋みの
余韻を残す閉じ方も、また乙なものに感じました。
なお、この盤には他に「四重奏曲変ロ長調」と「ポーランド風協奏曲」
が収められています。