ベートーヴェン 「ラズモフスキー」第1番 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

昨日の雨で、今朝は少し涼しくなったので、久しぶりに
午前に歩きに出かけた。しかし、陽が照るとやはり暑かった。

今日はベートーヴェンの弦楽四重奏曲「ラズモフスキー」
作品59の第1番ヘ長調
を聴く。

作品59には3曲あって、これらの曲に対する私の最初の
出会いは第3番であった。
弦楽四重奏曲という地味なジジャンルで、それまでは殆ど
知らなかった世界。例外的に耳に親しめたのがハイドンの
弦楽セレナーデぐらいだったと思う。

そんな時代に自分で買ったレコードの第1号が、この「ラズモフ
スキー」第3番であった。何故この曲を選んだのかについては、
不思議にも全く記憶がない。まあ、恐らく大変な名曲であるとの
記事を何かで読んだからに違いないが・・・。

とにもかくにも、この曲に非常な感銘を受けたことだけは確かで
あった。

さて、イタリア弦楽四重奏団による「ラズモフスキー」全曲盤、LP
の2枚組(輸入盤)から、第1番ヘ長調。

聴いた回数は極めて少なかったが、鳴り始めたチェロの旋律に
「そうだ、これ、これ!」。 聞き覚えがあったという想いを越えて、
それは、言いようもない感動へ心をくすぐる。 非常にすばらしい

旋律である。チェロからヴァイオリンへ移り、また、いろいろ変化

を加えてこれが第1楽章を支配している。 時にはほとばしるよう

な激情も。

かなり聴き応えのあるこの楽章に、さらに長いコーダがある。
その開始が冒頭の旋律で、それが弦の合奏で堂々と力強く歌わ
れるのは圧巻である。


第2楽章はスケルツォ。 ここへスケルツオとは異例のことだが、
解説にはベートーヴェンが「第九」でもそうであることに注目した

コメントがある。
ソナタ形式で書かれているそうだが、私にはやや冗長な感じが

せぬでもなかった。


これに続く第3楽章、これが私には全曲中の白眉と思う。 短調で
悲しげな旋律を聴いていると、ただ悲しいだけでなくて何か崇高な
感情がにじみ出ているようで、ベートーヴェン後期の作品に近い
ものを感じる。
解説には「英雄交響曲の葬送行進曲の追憶」の文字がある。


第4楽章  前楽章から休止なく続く。 Theme russe とあり、
解説にもベートーヴェンによって名付けられたロシアの主題を含む
とある。 ロシアの大使ラズモフスキーに作曲を依頼されたことに
よるのだろう、と。 私にはややとりとめのない旋律に聞こえたが、
それが興奮状態で疾走する。
ベートーヴェンの感情はは高ぶり、片手を天井に突き上げ、上半身
を揺さぶり、また足で床を打ち鳴らしながら作曲していた姿が浮かぶ。
理性を保つか失うか、ぎりぎりに思えるほどの烈しい感情の発露も
聴こえてくる。
如何にもベートーヴェンの本領が発揮された曲という印象です。


 演奏:イタリア弦楽四重奏団(LP盤)