モーツアルト ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

またもや中古LP盤から、リリー・クラウスの弾く

モーツアルトのハ短調協奏曲 K.491を聴く。


全27曲あるピアノ協奏曲の中で、恐らく最も回数多く聴いたなが

このハ短調だあると思う。当然最も好きな協奏曲と云えるかも知れ

ない。


ともかくよく出来た曲ですよね。と云っても具体性のない言い方だが。

特徴の一つは管楽器が非常に目立っていて、使い方の巧みさ。

フルートとファゴットがとりわけ活躍し、時にクラリネットのハットする

ような伴奏など。

それに、第3楽章が変奏曲であること。ものすごく単調な旋律から

成る主題なのに、最初聴いた時は変奏曲形式に気が付かなかった。

と云って、別にとりわけ込み入った変奏の仕方でもないと思うのに、

そうとは気付かない巧みさ。 これも具体的には云えないが、この

変奏曲は単純なようで少しも飽きない、この巧さは独特なのだ。


このレコードを聴いて、上に述べた管楽器が、オーケストラによる

主題提示部から非常に際立っていると思った。

テンポは速めな演奏。

ピアノはクラウスにしてはテンポの揺れがあるかな、と思ったが、それ

よりも強弱によって、表現にニュアンスの豊かさが聴き取れる。

オーケストラもそれに合わせて、かなり陰影に富む演奏と思えるが、

その特徴ゆえに、必ずしも両者の息がぴったりとは行かない節が、

なくもない感じだが、そう思ったのは第1楽章のみ。

ピアノのカデンツァの表現の豊かさに圧倒されて聴き入る。


第2楽章に入って、ピアノの主題の叙情的なこと! ピアノとオーケス

トラが、柔らかいニュアンスも両者見事に和合・融合した表現に感動

すると共に、これまでで最も美しいとも思えた。


第3楽章。 勿論すばらしい。 特に前述の管楽器のすばらしい活躍

を、改めて認識したのである。

そして、ピアノの表現の豊かさは、終りの方でピアノが独創的に奏でる

変奏曲のところで遺憾なく発揮されていた。

曲が結ばれる最後の音は、単なる強奏でなくて、マズアの弱奏の余韻

・・・これが私は好きなのだ・・・を加味した風に聴き取れて満足!

でした。(*^▽^*)


 演奏:クラウス/スティーヴン・サイモン&ウィーン音楽祭管弦楽団