映画「敬愛なるベートーヴェン」 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

普段映画は観ないのだが、話題のベートーヴェンの映画、

どんなものか観ておこうと思った。

ネットで調べると上映は夜の2回のみ。 昼を予定していたが

仕方ない。 夕食は会館のビル内で撮った。

並んでいる惣菜から好きな品を好きなだけ取るタイプの食堂。

入り口に 「レディース・デイ」 の看板がある。

どちらかと云えば女性客にはあまり似合わない風に思えるが、

今日はそんなせいか、若い女性の姿も目につく。


先ずはワンカップの酒を取り、おでん3品、肉じゃが、イワシの

フライを皿に載せてご飯の「小」を頼む。

出されたご飯を見て、「えっ、小でもこんなにあるんですか」と

云うと 「ミニもありますよ」 と店員が応えたので、「ミニ」に交換

してもらってレジに進むと、720数円。 安いね。(^O^)


ところで 酒を飲み終えた時は、もうご飯のおかずが無いので、

ひじきの煮たのを追加した。

わざわざ書き加える内容ではないね~


近くの席のおじさんはというと・・・・うどんとお酒だった。

これも どうでもいいこと! ハハ


さて、こんな庶民的な夕食を済ませて映画館へ行って、チケット

を購入。シニアだから1000円。

それより、今はインターネットでもチケットを購入出来るからか、

全部指定席なんですね。

中程のお席をお取り いたしましょうか。

どちらかと云うと、ずっと後ろの席で観る癖があるのだが、わざ

わざ断って後部席の希望を伝えるほどでもないから、そのまま

にして券を受け取る。

会場は10分前なので、それまでコーヒーを飲みに。

270円。 入れたてのコーヒーまでしばらく待つが、待つ甲斐が

あって値段の割にはおいしい。


 おいおい、どうでもいい事ばかり書いて、     

   一体、映画の話はどうなっているんだい?)\(*`∧´)/



いやいや、映画に疎いのであまり気がすすまないんだが・・・・

既にネットでも多くの書き込みがある通り、ベートーヴェンと

写譜師の師弟愛と音楽を媒介とした心の結び付き・・・。

それは、写譜師のアンナがベートーヴェンの肉体を洗うところ

まで高まり、最晩年の難曲「大フーガ」弦楽四重奏曲は2人の

合作によって生まれるまでに至るけれども物語性としてはさほど

多くない。

映像的にも写譜、合作両方とも極めて薄く物足りない感じだが、

ベートーヴェンの粗野な変人振りと、それでも彼の音楽を理解

し敬愛するアンナの精神を両者とも見事に演じられていて美しい。

力点は、なんと言っても第九の初演、アンナが団員の間に位置し

中腰状態でベートーヴェンと向かい合い、指揮をサポートすると

いう ユニークな描写に置かれている。


実際の初演ではソプラノ
アルト歌手がベートーヴェンの袖を

そっと取って、拍手大喝采の聴衆の方にに向かせたそうだが、

そのエピソードを 映画ではアンナが代わりに演じている。


映画を観た多くの人が、この第九のシーンに感動し、涙を流し、身を

震わせたそうだ。 音楽の持つ力に加えて、デジタルによる美しい大

音響の賜物だろう。


音楽は第1楽章の途中から第2楽章に移ったので、ティンパニの

連打に聴衆が感動・興奮した様の映像を予期したが、その場面は

なくて第4楽章のコーラスへと飛んだ。


この後は、「大フーガ」が2人の合作という設定なのだが、やや無理が

あるのか、映像としては弱く感動が生まれない。

実際この曲は難解で、演奏中に聴いている貴族がどんどん退席して

行き、その後姿を見送るアンナが哀れに思える。 ベートーヴェンは

演奏者の前にかじりつきなので、曲が終わってやっとしてから聴衆の

いないことに気が付く。

しかし、彼は魂のすべてを表現したことを満足げに、「これでいいのだ」

と強がるのだが・・・・。

第九のあまりの大成功とはうらはらに、皮肉なことである。


私にとっての不思議な体験は、弦楽四重奏曲の緩徐楽章が「ラズモフ

スキー3番」他、いくつか使われていたが、それが今まで聴いた中で

最も美しく感動的・神秘的に聞こえたことであった。