年末に買った中古LPの一枚、ロッシーニ序曲集を聴いてみた。
アバド/ロンドン交響楽団の演奏で、これが発売された当時、よほど
買おうと思ったものだが、実際はそれより後に出た同じ演奏による
ヴェルディの序曲集だけを入手して、ロッシーニの方は買わずじまい
だったので、今回ようやく手にしたものである。
今日は第一面だけを試聴した。
先ずは「セビリャの理髪師」序曲。
これは 私にとってはクラシック入門曲の一つだったと思う。
SPレコードで トスカニーニの指揮のものだった。何度も聴いたから
旋律はすっかり頭に入っていたかな。
それが LP第一面のトップで懐かしくも蘇ったデス。
最初のゆっくりした部分は、アバドの方が遅いテンポで、柔らかい弦を
しっとり、ふっくら歌わせている感じ。
速いテンポの主題に入ってからは トスカニーニと同じ印象。
とても爽やかです。
SPの第2面に入ったところのオーボエやホルンの旋律では、アバドは
非常に弱音で繊細に奏でている。
これはクレッシェンドしての盛り上がりを強調するためだろう。
クレッシェンド・・・・・・今日解説を読んで知ったのだが、ロッシーニは
クレッシェンドという綽名がついているんですね。クレッシェンドを曲の
中に多用しているからだそうです。
確かにそうで、でもこれが なかなか快適で わくわくして気持ちいい。
クラシック初心者にも分かりやすくて もてるんではないですかね。
強弱の対比も程よくて、管楽器の音色がうまく生かされて浮かび上が
る。 重奏よりもソロ的で透明感がある。
そして なによりも旋律が明るくて爽快なのがいい。
「ロッシーニのメロディーには人間臭さがない」・・・この指摘(解説)
は面白いですね。 人間離れした純粋さなのかな。
第2曲は「シンデレラ」序曲。これは多分初めて聴く曲。
第一面の最後は「どろぼうかささぎ」序曲で、これは何度も耳にし
た曲だが、何故か故岩城さんの演奏(放送)が思い出される。
総じて、音はヘッドフォンの所為だろうが、ヴェルディ序曲集よりは
豊かさがなくて劣る。 しかし、演奏のスタイルと云うのか、それは
ヴェルディのと全く同じ。 実に歯切れが良くて鮮明。 単刀直入的で
ぼやけたところは微塵もなくて、すっきり爽快。
スピーカーのトラブルはスピーカー・コードの先端で はんだ接着が
はがれていたことが分かった。
夕方、隣のコーナン店で、幾種類もあるはんだから 「オーディオ・
ビデオ用」を買って帰ったので、明日修理しようと思う。
それで、もう一度聴いてみたいものである。