ニルセン 交響曲 第4番 「不滅」 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

ニルセンの交響曲第4番には「不滅」というタイトルが付けられている。
本来は、(火などを)消すことが出来ない とか (感情などを)抑え
られないという意味の語をニルセンがスコアに書き記したのだった。 
その語に「不滅」の訳語を当てたということ。
この語をもって、ニルセンはelemental will to live、つまり生きよう
とする本能的意志とでも言うのか、人間のそんな姿をこの交響曲で
表そうとしたらしい。

死に直面するような場面に遭遇した時に、生きようともがく本能を

思い浮かべる。 この交響曲はそういう姿を表現しようとしているのか。


そうは言っても、この曲を聴いてなるほど、と共感し得るところは、私

には少ない。 普段聴いていないのに、あえてこのブログのために

一度や二度聴いて分かるような曲ではない。

尤も、ニルセンの交響曲の中では最もよく知られたものらしいですが。


第1楽章  いきなり、前へ前へと熱狂的に猛突進するような楽想。

ニルセンの音楽の特徴は 推進性にあるとか、以前に読んだな~。

仕事一筋にに夢中だった若い頃を思う。

それが静まると、新たな楽想が出る。 これが第2主題に当たると思わ

れるが、これは前よりは 遥かに旋律性に富むものだ。

一歩立ち止まって、自分を内省している姿なのか。 しみじみと生き甲斐

をかみしめている風にも思える。

この第2主題がかなり支配的で、幾度か第1主題らしい楽想に邪魔さ

れ、中断されはするものの、終りの方では高揚して、ワグナーの音楽を

連想する。


第2楽章  木管楽器合奏の戯れるような旋律で、生活に一息ついて

安らぎを見出しているひと時であろうか。


第3楽章  高音の弦の強奏は異様なほどの劇的雰囲気をかもし出す。

弦楽器だけの演奏だが、その雰囲気は全曲中、最も悲劇的なものである。 

それに低弦の強いピッチカートが不規則に鳴り響いて、悲劇の深さ・

深刻さを不気味に暗示すように聞こえる。

やがて、フルートやファゴットの旋律になるが、それから後は、弦と管の

対位旋律が混ざり合って混沌とした世界を描く。

人生の暗黒期、どろどろした様相を呈するが、最後はそこを抜け出す明

るさに転じて、第4楽章に移る。


第4楽章  第1楽章を思わせるような推進力に富んだ音楽である。

そこへ、ティンパニが強烈に加わる。

なんと、2つのティンパニ群から成っていて、そのひとつはバイオリンの

前に配置されると、解説にある。 ヴァイオリンの前にの、「in front」の

後に「!」のマークが付いているよ!

それもそのはず、ヴァイオリンの前にティンパニとは 前代未聞だよね。

左右のスピーカーから交互にティンパニの乱打が続く。

旋律がどうのこうのでなくて、そのリズミカルな曲想に圧倒される。

中間部は対照的に静まり返るが、最後は再びティンパニの連打は乱舞

の如くに強烈で、そこへ第1楽章第2主題のワグナーを想わせる旋律が

「不滅」の勝利の精神を高らかに歌い上げて結ばれる。

まあ、最も感動的なところと言えるでしょう。


  演奏:バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック


  ブロムシュテット/サンフランシスコの演奏が評判いいようですね。

  N響を振った演奏もいいそうで、ビデオに録画した記憶があるので

  探せば見つかるかも知れません。