グノー 交響曲 第1番 ニ長調 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

少し変わったレコードと思うが、グノーの交響曲が2曲入った

フランス製のLP盤がある。 1979の文字から1979年の録音と思わ

れるから、25年ほど前に買ったと思う。 確か、主に輸入レコードを扱って

いる店で買ったものだ。

珍しいというだけで買ったのだが、魅力的な曲であればと期待したことは

勿論のこと。 しかし、その期待は裏切られた。

確か、一回聴いてみただけだったと記憶する。


先日、久しぶりに図書館に立ち寄ってCDの棚を物色していると、

マリナー指揮によるグノーの交響曲をみつけたので、借りて帰った。

マリナーだから、という訳ではなくて、曲の解説が見たかったからで。

それによると、第1作のオペラなどの不成功から、オペラ作曲の

難しさを自覚し、また劇場での制約に対するレジスタンスがあった。

さらに、その頃に創設されたオーケストラ・コンサートに刺激を受けた

ことから、グノーは2つの交響曲作曲に気が動いたようだ。

グノー30歳半ばの時期である。


解説文で興味を惹かれたのは、グノーの生徒であったビゼーが

第1番の交響曲をピアノ連弾用に編曲し、更には ハ長調の交響曲を

作曲したということであった。


折角なので、とりあえずこの第1番の方を聴いてみた。

なんと、最初の出だしの音はビゼーの交響曲と感じが同じではないか!

すると、なんとなんと、第2主題までが同じ感じである。

おやおや、これは気のせいなのかな?

25年ほど前に聴いた時、そんなことを感じた記憶は全くない(ビゼーの

曲は既に知っていたのに)。


面白かったのは、残念ながらその点だけ。

第1楽章では、2つの主題の趣きに違いはあるものの、それ以外には

変化や起伏に乏しい。

第2楽章も似たようなテンポ。

第3楽章は3拍子に変わっただけの感じ。 トリオは旋律が主に管楽器に

移った程度の印象。

第4楽章はアダージォに始まるが、魅力的とは思えない。


つまり、各楽章に特徴的な楽想が感じられないし、どの楽章にも変化や

ドラマに乏しくて、どうも面白みがない。


以前取り上げた「管楽器による小交響曲」に聴くことが出来た音楽的

エスプリはどこへ行ったのだろうか? あの小交響曲はとてもチャーミン

グだったのに。


念の為、LPレコードも続いてかけてみた。 演奏時間が第2楽章で

大きく違っている点を除いては、殆ど異なった印象は感じられなかった。


個人的極端な感想かも知れない。 グノーの名誉のために、CDの解説

を一部転用しておきたい。

「・・・・純粋な器楽作品に関しては、ほとんど知られていないといっても

過言ではあるまい。 しかし、この2曲の交響曲でも知られるように、彼が

そこでも素材を確実に扱うことのことの洗練された技法を身につけていた

ことは明らかである。」

「・・・・ウィーン古典派やメンデルスゾーンの交響曲などいくつかの作品

との関連なども思わせながら、あらためてグノーの交響曲というものが、

きわめてチャーミングな要素をそなえているということや、書法的にかなり

興味深いものとなっているということが知られよう。」


曲をただ聴くだけで、専門的知識が殆どない自分には、こういった文も

言葉面だけの理解にしか及ばないのはいたし方ないことですが。

 

  演奏:マリナー/ジ・アカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・

      フィールズ(CD)

      ミッシェル・プラッソン/トゥールーズ・キャピトル国立根源楽団

                                        (LP盤)