寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか?

 

先日、後輩医師がとあるコースに出願するので、願書の添削・アドバイスを求められました。依頼された際は「私は執筆を生業にしているわけでもないし、アドバイスすることあるのだろうか?」と思い、断ることも頭をよぎったのですが、後輩の熱意がものすごくて私も応援したかったので、ひとまずは引き受けてみることにしました。

 

その話を夫と雑談しながら振り返ってみると、私(医者になってから10年くらいです)、沢山の願書を書いてきたことに気づいたわけです。普通そんなに書かない!と言われればそうかも指差し。熊本大学大学院の科目履修や、熊本大学の半年課外プログラム(教育を学ぶもの)、もちろんHarvardと今の大学院、2年前に卒業した大学院を含めると、2年に1回は願書を書いていました。今度から趣味の欄に「出願」って書いておこうかしら泣き笑い

 

で、その後輩の願書(Personal Statement)を添削しながら私なりにポイントかなと感じたことを。

①構成:パラグラフライティングの骨格を意識する。まずはアウトラインから考える

②内容:Tell your story. 貴方が心を動かされた印象的なエピソードを入れる

③貴方が学びたいという意欲だけでなく、貴方が大学など(入学先の組織)に貢献できるというアピールを

かなぁと思いました。

 

以下に詳しく書きます。

 

①構成

「私は、以下の2つの理由で○○を学びたいと思いました。」とトップに書いておき、「1つめは、~」「2つめは、~」というシンプルな構成にする。最後にClosingを入れる。例えば「上記2つの理由で、私は○○という問題をこういうふうに解決していきたいと思っています。」理由その1と2はそれぞれで段落を作っておきながら、それぞれの段落の一番初めの文章だけ読めば内容が理解できるようにする。

 

例====

 

私は、以下の2つの理由で○○を学びたいと思いました。

1つめは、△という部分への介入が今後の医療システムに欠かせない問題だと痛感しているからです。以前いた職場で、~ということがありました。その際は□□となり無事に解決できましたが、調べてみるとこういう事案はとても多いことがわかり、私はこの問題をできるだけ早く解決すべきだと思っています。

2つめは、○という問題への意識がとても低いと感じているからです。研修医の時に△△のような患者さんを担当したことがあり、~~~~。その患者さんの涙と自分の無力感が今でも忘れられず、同じような辛さを感じる患者さんを1人でも減らしたいと思っています。

これらの理由で、私は医療における○○という問題に対して取り組んでいきたいと思っています。

 

=====

 

TOEFLを受験される方はそこでも習うと思いますが、基本はこういった形で良いと思います。ポイントは、1つめと2つめの理由の冒頭文に結論を書いておくことだと思っています。沢山願書を読まなければいけない試験管の立場になると、そこだけ読めばわかる!という配慮をすることができます。

 

②内容

読者がぐっと引き込まれるようなエピソードを書くことですね。自分にとって強烈な体験をどこかでしているはずです。それをいくつか思い出してみて、どうして自分にとってインパクトがあったのか、記憶に鮮明にのこっているのか、というところを自分で掘り下げて言語化出来れば良いと思います。エピソードの詳細を書き始めるとその段落が長くなってしまうので、簡潔にまとめるスキルも必要になりますね。ここの部分は、その体験そのものの優劣がある(例えば患者さんの命に関わるエピソードとか)わけではなく、同じような体験でも「どうしてそれがあなたにとって強烈だったのか」という部分に尽きると感じていて、ここに個性が出ますね。

 

③教えて下さい、だけでなくて、貢献しますというアピール

私は今までこういう場所でこんなトレーニングを積んできたので、貴学に入学したら同級生とのディスカッションでこういう部分で貢献できる、というようなアピールです。日本人は一般的に苦手な分野ですね・・・。私も得意ではありませんが、ここを意識して書いておくことで「くれくれ人間ではない」という部分を示すというところです。あなたの大学で学ばせてもらうことができたら、こういう部分はコミットできます、あなたの大学にこれだけ良いことがあります!と・・・。いきなり言われても何をかけば良いか路頭に迷うかもしれませんが、他の平均的な出願者(のバックグラウンド)をイメージしてみて、あなたがその平均的な人物像と違う部分はどこかというのを考えてみることがヒントになるかもしれません。例えば、平均年齢より高いということは、「社会経験が豊富」と書くことができますよね。

 

 

私がポイントだと思ったのは大きく上の3つですが、他にも

・複数の人間に読んで貰って意見をもらったり、「てにをは」などの微修正を行う

・海外であればネイティブ添削に出す

・この際に自分の強みを内省する 

 

とか細かいポイントはあると思います。

 

 

特に自分の強みを知っておくというのはとても大事で、願書に書くことが本当に何も浮かばない!という方はストレングスファインダーなどを一度受けてみると良いと思います。

 

 

↑私が受けたときのブログです。

 

実はこのブログをやっているのも、私は収集心が強みだとこのストレングスファインダーで知ったことが影響しています。情報を集めるのがとにかく大好きなんですね。

だから、せっかく集めた情報をここでまとめておいたら、結構同じようなことで困っている人がいて、私が眠っている間もここで情報提供してくれるので、、、ネット社会ありがとう(笑)。実はこのブログの大半は、後輩などからいただいた相談や質問を記事に起こしていて、同じような質問を受けたらブログのリンクをLINEで送ってあげるだけなのでとてもスムーズです。

今回こんな風に私の強み?(趣味?)に気づかせてくれた後輩に感謝ですプレゼント

 

特に海外大学院の願書は結構強気で書かないといけないので、最初はハードルが高いかもしれませんが、応援しております!