みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

 

先日、Part-time/Onlineで留学を考えている方からご質問がありましたのでお答えします音譜

 

結論:公衆衛生大学院に興味があれば、SSPJを利用して科目履修やってみてはいかがでしょうか?

 

以下、頂いた質問とわたしの回答になります。

公衆衛生大学院に興味がある方はどうぞ~イチョウ

 

1学費について

 

学費は卒業までコミコミで約1000万円と言われています!が、詳細は下記で、個々で大幅にちがうと思います。

奨学金に関しても末尾で説明しています!

 

・出願に関わる費用(成績証明書の取り寄せや郵送)、入学金など、手数料関係で1回数百円~数万円の負担が入学までにあり

・授業料がちょこちょこ(たぶん毎年)値上がりします

 例 2020年3月時点で1単位あたり$1197→2023年1月時点で$1270

・ドルで支払うので為替相場の影響で大幅に変わってきます
 (2022年夏ころは円安のお陰でものすごく高額になりました)

・入学後は全てのPart-time/Online学生がWelch奨学金扱いになり、1単位$987になります。
 (Welchさんという方が高額の寄付をされたとかいう話だったと思います、さすがアメリカですね花)

・Part-time/Online履修であれば、授業料はTerm(学期)ごとの定額の支払いではなく、

 そのTermに履修する科目数に応じた支払いになります。

 例えば、3rd Termで3単位の科目と0.5単位の科目を同時履修する予定でしたら
 3rd Termのお支払いは3.5×$987×(1ドルの相場、仮に140円とします)=483630円 になります。
・卒業までに必要な最低限は80単位とのことですが、選択科目や選択必修科目が多数あり、

 実際は80単位を超える学生が殆どだと思います。どれくらい超えるかは、どういった授業を履修したいかで

 大きく変化します。ちなみに卒業生になると全ての授業が半額ですので、興味があるけど必修ではない場合、

 卒業してからゆっくり半額で履修するのも良いかもしれません。

 

つまり、履修科目数は自分で調節することができますし、支払いの負担もそれに応じて変動します。

お財布事情や時間が許せば1Termで6~7単位の科目取得が可能ですが、学費がそのTermだけで100万円近くなります。

(現地で履修するFull-timeの学生だと強制的に1Termで$15240になります。)

自分の時間的な余裕と金銭的な負担を調整しながらやりくりできることがPart-timeの魅力だと思います。

クレジットカードで支払うことが多いと思います、私は支払い上限をよく振り切ってしまうので

とうとう授業料支払い専用のクレカを作りました。ちなみにPayPayカードのゴールドです。

 

私の知る範囲で奨学金の制度があるのは

橋本市民病院/福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー/高知県 臨床研究フェローシップ

になります。

詳細はこういったセッションやそれぞれのサイトで情報をGetされてみてください。

 

こういう奨学金制度のすごいところは、もちろん金銭的な負担もなのですが、

個人的には、向学心のある仲間が集まってくるというポイントも大きいと思っています。

やはり長期戦ですので仲間、大事!

もちろんJHUを通じて友人も増えますが、やはり身近なところで頑張っている仲間が目の前にいて応援しあえる、

というのはモチベーション維持にも良いのでは、と思っています。

 

 

 

2 学習時間の工面に関して

 

働きながら履修する場合、これが一番のハードルになります。

時間もかからないし楽勝だったら学習効果が期待できませんしね・・・ガーン

 

私の時間は毎週火曜日の日中8時~17時がメインで、あとは土日のいずれかで2~3時間です。

1Termにだいたい合計5単位くらい履修していますが、これはまぁまぁ早めのペースかな?と思っています。

ただし手を抜けるところは徹底的に抜いております(笑)。

授業の内容をじっくり味わいながら学んでいる知人もいますし、仕事が今は忙しいので無理!とだいぶ履修のペースをゆるめている知人もいます。

ゆるゆる履修しながらの方が、丁寧に学べて、且つ普段の職場で学んだことを実践したりできて理想的かもしれませんね。

 

基本は4年以内(2-4年)で卒業してねという話ですが、仕事や家族の事情で、と交渉すれば伸ばせる余地はありそうです。

ただし卒業論文の作成とその準備に半年~1年は担保しておいたほうが良いと先輩からアドバイスあり、4年で卒業するとなれば、科目履修はおおよそ3年で済ませておいた方が良さそうです。私は現時点で家族の事情もあり3年卒業を目指していますが、1年目にガッツリ必修をクリア中で、2年目に残った必修をパラパラ(Term毎に0-5単位)、3年目は本当に残った科目+卒論、になりそうです。

 

卒業までに80単位として、1年は5Term(1st-4thとSummer Term)で3年履修で割ってみると

80÷(3年×5Term)=5.3

となり1Termに5単位目安で履修となりますが、実際のところはこれより少なめでもOKです。

理由1 Summer instituteとWinter intersession (夏期課外、冬期特講)という期間も別立てであり、ここでも単位が稼げます

理由2 Kyoto Spring Instituteだけで3年で12単位稼げます

理由3 SSPJを利用すれば単位が最大15単位程度持ち込めるので、事前に必修科目をいくつか済ませた上で入学できます

私も上記を利用して入学後の負担を57単位まで減らしており、今入学して1年目ですが、既に40単位以上習得しました。

 

私の履修科目の一覧はこちらです

 

 

3 英語力に関して

 

たまに現地の学生や先生とディスカッションしなければなりません。向こうはネイティブやそれに近い能力を当たり前に持っているので、英語のスピードがとんでもなく速く、更に世界中の学生がいますので多様な外国語訛りも普通にあり、全く何を言っているのかわからないこともあります。私、TOEFL81点、英検準1級、TOEIC 900点ですが、そういう時はしんどいです。やはり現地留学生は基本的にTOEFL 100点を持っているため、マシンガントークでも大丈夫なのでしょう。更にZoom越しだと、相手がマイクを使っていない場合は音声が上手く拾えない状況で理解しないといけず、厳しいです。

 

グループ課題などはGoogle documentなどの非同期で済ませてしまうよう、同じグループのメンバーに働きかけることもできますが(そうなるとDeepLを使えます)、それでも逃げ切れないオンラインディスカッションが、昨年は2回ありました。他にも、Google documentなど使えない国があるのでそういった学生が同じグループにいると別のサービスを検討するなど、世界中に学生がいるからこその苦労があります。

 

とは言え、大半の科目は英語を全く話さずに乗り切れます。自分の隙間時間にオンラインでレクチャーを見ておき、テストを締め切り日までにクリアしておけばOK、と言うような感じです。

レクチャーも動画だけでなく、Transcriptまで全部公開されますので、何言っているのかわからないなぁと何周も観る必要はありません。

すぐにDeepLで翻訳して「なるほど~」と学んでいます。私は小さな子どもがいるので、スライドなどは自分のスマホからも見られるようにしておき、こどもを寝かしつけながらそれを読み込んだりしていますし、印刷したものを持ち歩いて外出先の隙間時間で読んだりしています。DeepLに頼り切っていますので、肝心の英語力は全く伸びていないと思います(笑)せっかくなので英語も学びたい、とレクチャー動画を全部そのまま観ることもできれば理想的だし素晴らしいと思います。

 

私もTOEFL100点あれば、もう少しガッツリ、ディスカッションに関与できたのかもな、という後悔はありますが、英語はぼちぼちやっていくしかないかなとも思っていますし、例えばJHUで選択必修の財務系・政治系の科目なんかは、普段の医学英語とは全然違うVocabularyですので、もはや割り切ってDeeLに頼っても良いのでは、と思っています赤ちゃん

 

 

 

 

TOEFLに関してはこのあたりの本で一通り対策して臨みました。が、大学院に実際入ってみて遭遇するVocabularyはこちらが役だったなぁと思っています。まぁ、こちらもTOEFL対策で勉強していたものですが、、、やっぱり隙間時間にちょいちょい勉強していけるのは便利ですね!

 

 

DMM英会話契約中は無料で使えますが、このサービスが良かったため、DMM解約後もサブスクしていました。現在は募集停止してしまいましたが、思い切って終身プランを契約していて、今でもゆるゆるとやっています。

 

4 向き・不向き

 

これはあくまでも私の印象というか、偏見ですが、、身近に、臨床研究に興味があって、国内の公衆衛生大学院で博士号の取得を目指している人も多くいます。彼らの話をききながら、Johns Hopkins大学との違いを私の理解の範囲でお話ししますと

 

JHU

メリット)歴史など含めて世界一。とにかく教員の数も多く、話題が豊富。

 実際にウクライナに滞在し難民支援にあたっている先生から話をきくことができるなど、世界中で活躍しているFacultyの存在。

 世界のトップランナーの先生から直接教えてもらえ、コンタクトを取れば仲良くなることもできる。

 引っ越しをしなくても良い。これはご家族いれば大きいと思います。私も以前ご縁のあったHarvardの公衆衛生大学院への出願も考えたのですが、やっぱりこれが決定打となりJHU専願でした。

 

デメリット)

 時差が辛い。学費高い。英語でのインプットなのでやはり日本語には劣ります。
 オンラインで履修可能な科目は(細かい計算はしていません、肌感覚で)全体科目の半分以下です。1-2割くらいはオンライン履修可能でも、同期でZoomのセッションがあったりして、時差でなくなく断念することもあります。ただ、もともとの履修可能な科目の数がとんでもなく多いのと、今年は履修が無理でも来年は対応してくれる、なんてこともある。(もちろんその逆もあり)

 アメリカの抱える問題(特に銃暴力やオピオイド使用障害、識字率の低さなど)にFocusすることが多く、興味が湧かないことも

 MPHはあくまでも色々ベーシックを学んだ学生を育てるというところなので、選択必修科目が多岐にわたります。交渉術、ヘルスリテラシー、リーダー論など、いろんな科目を半強制的に学ぶことが「楽しい」と思えるかどうか、「とにかく統計学だけ学びたいのに」と思うかどうかは、向き不向きの分かれ目だと思います。

 もちろんJHUでも疫学などを極める科目は用意されていますが、必修科目ではないですし、お支払いが増えてしまいます。

 とにかく日本国内というセッティングで臨床研究を実践したい、ということであれば、交渉術などの科目に時間を取られることが負担に感じるかもしれません。

 一応全ての学生にAdvisorの先生が割り当てられていますが、直接会うことも難しい中で、頻回にコンタクトを取ってちょっとした相談をする、というのはハードルを感じています。実際、私は今年一度もコンタクトを取っていません(ま、卒業論文のテーマが決まらないのでそこが問題なのですが)。
 とにもかくにもアメリカなので、同級生がグループワークをドタキャンしたり、事前資料の日付が去年のままだったり、宿題に誤植がちょいちょいあったり、採点がおかしかったりなど、日本では珍しい現象が頻発します指差し 普段おおざっぱでかなりいい加減な私でも、テストが0点で返却されたりして仰天することがありました(もちろん、連絡を取って採点し直して頂きました 笑)

 

国内の公衆衛生大学院

メリット)学費が安い。日本というセッティングで臨床研究を極めたい場合はこちら。

 ジャーナルクラブなど、Zoomで頻回に開催されているようです。おそらく所属する研究室が親身になって面倒をみてくれると思います。もちろん時差も無問題。博士号が欲しい方もこちらがお勧めだと思います。(JHUのDoctorはとてもとても狭き門らしいですし、オンラインで取れるのかは私は知りません)。

デメリット)講義のヴァリエーションはJHUに劣る。将来国際機関やアメリカで働きたいなんて場合はJHUの方がよさそう。

 あと、基本はオンサイトだと思いますので転居が必要かも。


 

蛇足かもしれませんが、学位も要らないし、日本語でとにかくこの研究を今の仲間と(今の職場で)成功させたいんだ、

なんて場合はこういうものの方が手っ取り早いと思いますし引っ越しも要らないし安いです。

 

 

 

と言うわけで、Johns Hopkins大学にも合う・合わないがあります。

 

先輩が「幕の内弁当の具材を楽しめるか」というのがとても言い当てているキーワードだと思いました。幕の内弁当は、いろいろな具材が入っていてそれを食べることが求められますが、いろんな具があって美味しいな~と思える人と、いやいや、とにかくだし巻き卵だけ食べたいんだよね、って人と。

 

私はこの「幕の内弁当」を楽しめるタイプの人間で、ストレングスファインダーとかでも知的好奇心・収集心が強いと出てきます。JHUも闇雲に必修科目を沢山設けているわけではなくて、いろんな科目を履修しながら、それらの知識がどう繋がっていって、どういう学生を育てたいのかがとてもよく分かって、今は楽しいと感じています。

 

↓くわしくはこちら

 

 

 

もしご興味があれば、まずはSSPJを利用して科目履修をしながら、そもそもJHUのシステムが合うのかどうかを体感されてみてはいかがでしょうか?

 

ただし、SSPJを利用しての科目履修の場合はWelch奨学金がかからないため、$1270×単位数 の授業料が発生します。統計学1だと3単位ですので、1270×3×140円=53万円程度でしょうか。お金はかかってしまいますが、JHUに入学したあとで「やっぱりこれは合わない・・・」となるよりは良いのかなと思っております

 

SSPJに関してはこちらです https://www.jhsph.jp/sspj

 

お勧めは 8月末からの統計1+2の履修です。6月開講、Summer instituteのEpi1は課題やレクチャーのスピードが(3学期のEpi1と比較して)倍速なのでキツいと評判です。一番最初にこれを受けると面食らうかもしれません。8月末から、出願の準備を開始しながら、統計1+2を履修してJHUに入学を判断し、入学を決心された場合は翌年の1月からEpi1を通常スピードで履修して、3月に入学すれば 3(統計1)+3(統計2)+5(Epi1)=11単位持ち込むことができます。ちなみにEpi2は卒業に必須の単位ではありませんので、そういう点でも統計1+2の方がお勧めです。

 

と、ご質問をいただいたのでかなりツッコんだ話まで書きましたし、

この内容にどこまで需要があるのかわかりませんが、

ここまでお読み頂きありがとうございましたハートのプレゼント

 

どなたかのお役に立てば幸いです!