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1枚目は理想通り。でも、2枚目で別人になった。

AIイラストを作っていると、こんな経験をすることがあります。背景を変えただけなのに顔立ちまで変化する。衣装だけ直したかったのに髪型まで違って見える。単発の1枚では気にならなかった「キャラクターの一貫性」が、2枚目から急に大きな問題になるのです。

アニメ・イラスト生成では、Stable Diffusion系の制作環境や、アニメ画像制作に特化した機能を持つPixAIなど、複数の選択肢があります。

どちらも魅力的なアニメ画像を生成できますが、本当に比較したいのは「1枚目がきれいか」だけではありません。

作ったキャラクターを2枚目、3枚目へ展開するとき、どうやって同じ人物らしさを維持するのかが重要になります。

 

そこで今回は、1人のオリジナルキャラクターを基準に、PixAIとStable Diffusion系の制作環境を比較します。場所変更、衣装変更、ポーズ・ライティング変更、漫画風シーンへの展開という4つの条件から、「2枚目以降」の作り方にどんな違いがあるのかを見ていきます。

生成AIで「2枚目」を作ろうとすると崩れやすい理由

最初に押さえておきたいのは、同じプロンプトを使えば同じキャラクターがそのまま出てくるとは限らないことです。

画像生成AIは、入力された文章や参照情報などをもとに画像を生成します。背景、ポーズ、カメラ位置、衣装といった条件を変えると、AIがキャラクター全体を改めて解釈し直すことがあります。

その結果、2枚目では次のような変化が起きることがあります。

  • 顔の輪郭や目の形が少し変わる
  • 髪型や髪色がズレる
  • 体型や身長の印象が変化する
  • 衣装にあった特徴的なパーツが消える
  • 塗りや線のタッチまで変わる

つまり、1枚目では「どんな画像を作るか」が主な問題ですが、2枚目からは「何を変えて、何を残すか」という別の難しさが加わります。

制作プロセスをチェック
キャラクターをシリーズ化したいなら、2枚目以降の作り方まで考える必要があります。ただ単にプロンプトの調整だけでキャラクターの統一性は保たれるのか、さらにパラメータ設定が必要になるのか、他にノードを組み込む必要があるのか、そのような設計はStable Diffusionなどローカル環境においてしばし難易度が高いことがあります。

Seedを固定すればすべて解決するというものでもありません。構図や条件を大きく変えれば、キャラクターの外見も影響を受けます。そこで重要になるのが、LoRAや参照画像、ControlNet、画像編集など、キャラクターの特徴や構図を次の生成へ引き継ぐための仕組みです。

PixAIとStable Diffusionについて

今回PixAIとStable Diffusionを比較する理由は、どちらもアニメキャラクター制作に利用できる一方、制作環境の設計が異なるためです。PixAIはブラウザで完結できるため、操作画面のUIはシンプルです。さらに、生成と編集はシームレスにリンクしています。一方で、 Stable Diffusionはローカル環境だけでなく、ブラウザでも利用できます。そのため、生成・編集画面UIはユーザーによって大きくことなります。

Stable Diffusionは制作環境を組み立てられる

Stable Diffusionは、Stability AIが公開してきた画像生成モデル群です。実際の制作では、ComfyUIなどのUIや各種サービスを通じて利用されることが多く、モデル、LoRA、ControlNet、Image-to-Image、インペイントなどを目的に応じてノード形式で組み合わせられます。※私も今回はComfyUIを一部利用しています。

たとえば、キャラクターの特徴にはLoRA、ポーズにはControlNet、衣装の部分変更にはインペイント、といった具合に、必要なノードの仕組みを選びながらワークフローを構築できます。

Stable Diffusion系の魅力は、単に設定項目が多いことではありません。自分が作りたい画像に合わせて、制作方法そのものを設計できることです。

PixAIはアニメ制作を1つのプラットフォームで進めやすい

PixAIは、アニメ・イラスト制作をブラウザで行えるプラットフォームです。

モデルやLoRAの選択に加えて、参照画像、画像編集、スタイル調整などを同じサービス内でシームレスに扱えます。

Tsubaki.3では、参照画像からキャラクターの特徴を新しい生成へ利用する画像参照(Character Reference)や、自然な言葉による画像編集なども用意されています。

PixAI公式のモデルとLoRAの基礎解説でも、モデルを画像生成の土台、LoRAを特定の方向へ出力を調整する要素として整理しています。また、Tsubaki.3の公式ショーケースでは、キャラクター一貫性、参照画像、画像編集、ライティング、漫画など、完成した1枚だけにとどまらない制作例が紹介されています。是非参考にしてみてください。

同じ基準キャラから「2枚目以降」を作って比較してみる

比較条件を曖昧にすると、「何となく似ている」「こっちの方がかわいい」といった主観的な評価になってしまいます。

そこで今回は、1人のオリジナルキャラクターを基準にします。

基準キャラクター「ミナ」

  • 銀灰色のセミロングヘア
  • 右側に青い三角形のヘアピン
  • 琥珀色の瞳
  • 初期衣装は白シャツ+ネイビーのカーディガン

髪型だけでなく、ヘアピン、瞳といった複数の識別ポイントを設定しています。

評価するときも「完全に同じ画像か」ではなく、別のシーンへ移動しても同じキャラクターとして自然に認識できるかを見ます。

今回のテストでは、少しずつ条件を複雑にします。

TEST 変更内容
1 場所を変更する
2 衣装だけ変更する
3 ポーズとライティングを変更する
4 漫画風の1シーンへ展開する

基準キャラを4つの条件でテストしてみる

ここからは、同じ「ミナ」を使って条件を変えていきます。後半ほど変更する情報が増えるため、キャラクター一貫性だけでなく、構図や編集方法の違いも見えやすくなります。

TEST 1|場所だけ変えたらどうなる?

自室にいるミナを、そのまま街のカフェへ移動させます。髪、顔、衣装は基本的に維持し、背景だけを大きく変える想定です。

Stable Diffusion系では、使用するモデルやLoRA、参照系の仕組みなどを組み合わせてキャラクターの再現性を高める方法があります。キャラクター用のLoRAを利用しつつ、背景を別のプロンプトへ変更するといった設計ができます。

一方、PixAI / Tsubaki.3では画像参照編集(Character Reference)を利用し、基準となるキャラクター画像を次の生成へ参照できます。

たとえば、ミナの画像を参照として追加し、「街のカフェで窓際に座っている」といった新しいシーンを指定します。

このときチェックしたいのは、参照画像のキャラ(ミナ)がしっかりと統一性がとれているかです。

  • 顔の輪郭が大きく変わっていないか
  • 銀灰色の髪が維持されているか
  • 青い三角形のヘアピンが残っているか
  • 瞳などの識別特徴が維持されているか

Character Referenceのメリットは、これらの特徴を毎回長い文章で一から説明する必要を減らせることです。ただし、参照機能を使ったからといって完全一致が保証されるわけではありません。生成結果を見ながら調整することは必要です。

TEST 2|「服だけ変えて」は本当に服だけ変わる?

次は背景ではなく、キャラクター自身の一部分を変更します。

白シャツ+ネイビーのカーディガンだったミナを、黒いジャケット姿へ変更します。

このテストで難しいのは、衣装を変えたことで顔、髪、ポーズまで一緒に変わらないようにすることです。

Stable Diffusion系では、インペイントなどを利用して変更したい領域を指定(マスキング)し、その部分を再生成する方法があります。マスキングは一例です。他の適切な機能ノードを採用してもよいでしょう。いずれにしても、どこを編集対象とするのかを制作者側で細かく決められます。

Tsubaki.3のUIはSDよりもかなりシンプルなので、参照画像を入れてすぐにプロンプトで指示でOKです。サンプリング画像で黒いジャケットを追加してもよいかもしれません。そうすれば、生成意図はさらに正確にAIに伝わります。

画像編集で見るべきなのは、変更された部分だけではありません。
編集対象ではない顔、髪、構図、背景がどこまで安定しているかまで確認すると、実際の制作で使いやすいか判断しやすくなります。

TEST 3|ポーズと光まで変えたらどうなる?

ここから難度を上げます。

昼間に座っているミナを、夕暮れの街で振り返っている構図へ変更します。

今回は背景だけでなく、ポーズ、カメラアングル、光の方向、色温度まで変わります。

Stable Diffusion系では、ControlNetなどの制御手段を使い、ポーズ、エッジ、深度などをガイドとして利用する方法があります。

つまり、「同じキャラを維持したい」という目的だけでなく、「このポーズにしたい」「この構図に近づけたい」という条件ごとに使う仕組みを選べます。

PixAIでは、プロンプトと参照画像を組み合わせながら画面全体を設計できます。ポージングした別キャラも参考画像にできるのです。ここで重要なのは、「@1枚目のキャラの特徴を変えずに」と一言いれると、別キャラのポージング以外の特徴(顔や服、小物など)を反映させるのを防ぐことにつながります。

 

このテストでは、キャラクターの顔だけを見るのではなく、構図を大きく変えても人物の特徴が残るかを確認することが重要です。

TEST 4|同じキャラを漫画風の1コマまで展開したらどうなる?

最後は、情報量を一気に増やします。

ミナ1人のイラストではなく、もう1人のキャラクターを加えて、カフェで2人が会話している漫画風の1シーンへ展開します。

  • 2人それぞれの外見
  • 表情と視線
  • 座る位置
  • テーブルや店内の背景
  • カメラアングル
  • 吹き出し(今回はそれぞれで短いセリフを付与)
  • セリフ
  • 漫画的な効果や演出

Stable Diffusion系では、モデル、LoRA、ControlNet、画像編集などを用途に合わせて組み合わせながら漫画制作ワークフローを構築できます。工程を細かく分けられるため、キャラクター、構図、背景などをそれぞれ調整したい制作者に向いています。

ただし、吹き出しまで入れるとStable Diffusion系は崩れやすい傾向があります。日本語吹き出し専門ノードなどがあれば試してみても良いかも知れません。

一方、Tsubaki.3は漫画表現、複数キャラクター、画像内テキスト表現に強いです。操作もとてもシンプルで、ノード設計は必要ありません。キャラ参照で別キャラを入れて、プロンプトでシーンの他吹き出しも入れます。PixAIではキャラクター参照やプロンプトを利用しながら、複数の要素を含む1枚の画像として設計できます。

文字の崩れは必ず確認

これはPixAIやStable Diffusionに限った話ではありません。生成AIによる文字は、誤字や形の崩れが起きることがあります。日本語のセリフ、商品名、固有名詞など正確さが求められる部分は、生成結果をそのまま完成品にせず確認・修正することをおすすめします。

テストで分かったPixAIとStable Diffusionの違い

4つのテストを通して分かったのは、PixAIとStable Diffusionでは一貫性をどう作るか、その考え方が違うということです。

Stable Diffusionは必要な方法(ノード)を組み合わせていく

Stable Diffusion系では、キャラクター、ポーズ、編集対象など、目的に合わせて異なる方法を組み合わせられます。

LoRA、ControlNet、インペイント、各種モデルなどを使い分ければ、かなり細かな制作環境を構築できます。

これは手間というより、Stable Diffusion系の大きな魅力です。

どの機能をどの程度使うのかまで自分で決めたい人にとって、非常に大きな自由があります。

PixAIは基準画像を次の制作へつなげやすい

PixAIは、基準となるキャラクターを作ったあと、その画像を参照しながら次のシーンへ展開したり、既存画像を編集したりできます。

つまり、「キャラクターをどう定義するか」だけではなく、完成した1枚を次の制作素材として使うという流れを作りやすいのが特徴です。ブラウザの一画面で生成・編集が完結するからです。Stable Diffusion系のように、モデルや機能ノードを別のプラットフォームから探し出したり、制作する必要はありません。

比較 Stable Diffusion系 PixAI
キャラ維持 LoRAや参照系手法などノードを組み合わせる 画像参照は1画面で完結
部分編集 Inpaintなどを利用 自然言語で編集内容を指示
ポーズ・構図 ControlNetなどを組み合わせる プロンプトや参照画像から調整
特徴 制御方法を自分で設計しやすい 基準画像から次の制作へ展開しやすい

PixAIとStable Diffusion、2枚目以降を作るならどちら?

ここまでの比較を踏まえると、ツール選びでは「どちらが高性能か」より、自分がどのようにキャラクターを作り続けたいかを考える方が分かりやすくなります。

Stable Diffusion系が向いている人

  • LoRAやControlNetを細かく使いたい
  • キャラクター維持の方法まで自分で設計したい
  • 独自の制作ワークフローを構築したい
  • 環境構築や設定も含めて楽しみたい

PixAIが向いている人

  • 参照画像から別シーンへキャラクターを展開したい
  • 生成後の画像を何度も編集したい
  • アニメ・イラスト制作を中心に進めたい
  • 作ったキャラクターを次の作品でも使っていきたい

特にPixAIは、「お気に入りの1枚を生成できたら終わり」ではなく、その画像を次の制作へ利用したい人にとって試しやすい選択肢です。

PixAIでアニメ画像制作を試してみる

まとめ|AIイラストは「2枚目以降」まで考えて選ぶ

AI画像生成ツールを比べるときは、どうしても最初に生成された1枚の画質へ目が向きます。

しかし、オリジナルキャラクターを継続して使いたいなら、本当に重要になるのはその先です。

場所を変える。衣装を変える。ポーズや光を変える。別のキャラクターと一緒に漫画へ展開する。

こうした「2枚目以降」の制作では、Stable Diffusion系とPixAIでアプローチが異なります。

Stable Diffusion系は、必要なモデルや制御方法を組み合わせながら自分の制作環境を作り込めます。一方、PixAIは参照画像や画像編集を利用しながら、ブラウザのみで生成・編集を完結できる強みがあります。

1枚目を作れるかだけでなく、そのキャラクターをどこまで育てていきたいか。

この視点から選ぶと、自分に合ったAIイラスト制作環境を判断しやすくなるでしょう。

 

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参考情報