四姉妹の中で唯一、職業というものがある人です。

 

他の三姉妹は家庭の中だけで生きる人。彼女達の価値観では理解不能な人だったことでしょう。

 

戦前の日本では三人の姉のような人生が当たり前の生き方でした。

結婚は家と家との結びつき、親の庇護のもと釣り合いの取れた相手とお見合いで結婚します。

雪子はまだ自分というものを持っていたし経済的な余裕もあり、自分の意に沿う人物が現れるまで待つことが出来ましたが、多くの女の人はまるで就職するかのように結婚していったことでしょう。

 

 

専業主婦というものに魅力を感じない私には四姉妹の中で最も共感を覚えるのが妙子です。

 

 

細雪が初めて映画化された時、高峰秀子さんの妙子中心の物語になってました。

外の世界との繋がりがある分妙子にはドラマがあるからだと思います。

 

お姉さん達にとって妙子の生き方考え方は受け入れ難いものです。

でも舞台版の最後、長女の鶴子は言います。

「ほんまにアホや・・アホやけど私の妹や・・・」

何度聞いても泣いてしまう名台詞です。