2、対象患者のリストの通知
さてここからが本番です。
以前届いていた「新規指導の通知」の内容を確認しながら、対象患者ごとに持参物をまとめていきます。
持参物の範囲は、対象患者の初診時から直近に来院された日までです。
それではそれぞれの持参物について、何が大切かを一つずつ解説します。
①診療録(カルテ)
まずはカルテについてです。これが最も重要です。
カルテには、患者の主訴、先生の所見、診断、治療方針、処置内容、経過観察、患者の同意を得ているかなど、患者さんを診察し処置を行った内容を全て記載していなければなりません。
レセコンで入力して点数と会計だけが入っている状態は、「請求内容」が出ているだけで、「カルテ」と言えるものではありません。
そして、本来であれば、カルテは診療が終わった時点でその都度入力し、印刷されていないといけないものとされています。
簡単に言うと「診療日記」のようになっていないといけないわけです。
つまり、患者リストが届いた時点で、カルテは既に印刷されていて、ただまとめるだけというのが本来の流れになります。
しかし・・・・実際は、診療が終わる度にカルテを書くなんてできませんよね・・・・。大体は手書きのメモにその日の処置内容や、患者さんの様子、経過を走り書きで残しているはずです。
ですから、その走り書きを元に、しっかりした文書を起こしていく作業をしなければいけないわけです。
カルテは診療日記です。
患者さんの主訴から始まり、何故その処置をしたのか、そしてその結果はどうなったのか。
処置したことの理由と結果がはっきりしていることが大切です。
順番としては、常に、「先生の所見」、「診断」、「診療方針」、「患者の同意」、「処置の内容」、「経過」の順番で書かれている事になります。
こう書くとなかなか難しく聞こえますが、実はたいしたことではなく、先生方が普段診療される時にやっていること、そのものなのです。
先生方は、患者さんが来院されたら、
「どうなさいましたか?」と主訴を確認します。
口の中をみて「~の状態なので詳しく見るためにレントゲン撮らせて下さい」と同意を得ます。
レントゲンを見て「この歯の根っこが~になってます。おそらく原因は~です。ここも~です。他にも・・・」と説明し、
「まず、これを治療して、次に~をして、落ち着いたら~の治療をしていきましょう。よろしいですか?」と説明して同意を得ます。
そして処置を行い。次回アポイントをとります。
次に来院されたとき「前回~の治療をしましたが今はいかがですか?」と経過を確認し
「では今日は前回の続きで~を行います。よろしいですか?」と治療方針の説明と同意を得ます。
このように。カルテは先生方の言葉で常日頃の診療の内容を書いていけばいいだけなのです。
しかし、ただ単に書いていけばいいわけではなく、それぞれ算定した点数には、算定の条件がありますので、それも踏まえて書いていくことも忘れてはいけません。
次回へ続く