古民家の壁といえば漆喰。うちの敷地でも母屋から蔵まで、ありとあらゆる場所で漆喰が活躍しています。見た目が美しいのはもちろんのこと、調湿性能もあるので湿度の高い日本で愛され続けてきたのにも納得です。

 

 

 

 

こうした漆喰は長持ちするというのも大きな利点ですが、100年ほど塗り替えていない蔵の漆喰はさすがに怪しくなってきました。(むしろ100年保ったことに驚き…)

 

そんなわけで、落ちかかっている漆喰を塗り替えるためにいつもお世話になっている左官の大将を招いて漆喰ワークショップを開催しました!

 

 

 

 

我が家の場合、基本的に漆喰の塗り替えはわたしの適当DIYで済ませていますが、合宿中の修繕は学生たちの勉強にもなって一石二鳥なので職人さんにお願いしています。大将とは前回ご紹介した手塚さんと同じく、棟梁の紹介で出会いました。

 

 

 

 

素材選びのことから塗り方の詳細まで。非常にロジカルに漆喰のお話をして下さるので、彼のワークショップはとにかく学びが多いです。

 

漆喰はもちろん大将のコンクリート仕上げは見事で、蔵のコンクリート床や、バスルームのコンリート壁も過去に何度もお願いしています。要するに、わたしも先生も大将のファンなのです(笑)

 

 

 

 

素人のわたしが塗るとコテ痕で凸凹になる漆喰壁。大将の手にかかれば、まるで和紙を壁一面にペタッと貼ったかのように滑らかで綺麗です。

 

 

 

 

サービス精神溢れる大将。いつも学生たちに塗り体験をさせてくれますが、実はこの手直しがかなり大変なことをわたしと先生は知っている(汗)。それでも嫌な顔ひとつせず、学生たちをニコニコ笑顔で見守ってあげる大将は本当に大人の鑑だと思います。見習います。

 

 

 

 

漆喰は何度か塗り重ねるので、1度のワークショップで修繕できるのはせいぜい壁2面。

 

「蔵の壁はまだまだあるけど、どのくらいのペースで修繕を進めるイメージですか?」と大将に聞かれ、「そうですね、10年くらいかけるつもりでいます」と正直に答えると苦笑いされました。実は棟梁と同じく、大将もそろそろ引退を考えているとのこと。筋肉モリモリでめちゃくちゃテキパキ動かれるのでまったく気づきませんでしたが、もう70代半ばなんだそうで…!

 

 

 

 

家のDIYと違い、現場で「塗る」となると凄まじい体力が必要になります。業務用の漆喰袋、コンクリート袋ひとつをとっても、とにかく重たいんですよね。なんでもかんでも数十キロの世界。わたしも非力ではありませんが、フンッ!!!と力を込めてやっと持ち上がるほど重いです。

 

「次はもっと若いのを紹介しますよ」と大将は言いますが、わたしたちは大将がいいんです…!!凄腕の職人さんたちが次々に引退してしまうのは寂しいものですね。引退される前に、ぜひ長屋門の漆喰の塗り替えを大将にお願いしたいところです。

 

 

 

 

こうして崩れてお化け屋敷みたいになっていた一角が、大将の手で世にも美しく蘇りました!何か飾りたい気もしますが、しばらくはこのままを眺めていたいと思います。次にこの一角を修繕するのは100年後?そう考えると感慨深いですね。

 

さて。古民家はどうしても定期的なメンテナンスが必要なので、いかにテイストとフィーリングの合う職人さんたちに出会えるかが重要になってきます。職人さんたちはチームで動いていることが多いので、ひとりでも素敵な職人さんに出会えた時には是非お仲間を紹介してもらって下さい。そこは物怖じせずに、図々しくお願いしましょう(笑)もちろん、礼を尽くす形で!

 

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さあ、週末も目前ですね。みなさまもどうぞ良い1日をお過ごし下さい♪