築100年にもなる古民家の構造はわからないことばかり。

 

壁を塗ったりタイルを貼ったりといったDIYは素人でも楽しんでできますが、こと床・屋根・柱が絡んでくると古民家をよく知る大工さんにお願いせざるを得ません。

 

わたしたちがここへ越して来たばかりの頃、たまたま知人に紹介してもらった棟梁(大工の親方)がものすごく理解のある方で、何度も何度も助けられました。彼がいなければ、もしかしたら古民家暮らしを途中で諦めていたかもしれません。そのくらい特別な存在です。

 

そんな彼が、そろそろ引退を考えているからと今年に入って紹介してくれたのが大工の手塚さんでした。合宿用にバス・トイレを増設してもらったのですが、その腕の良さに夫婦揃ってすぐに惚れました。そのことを棟梁に伝えると、「でしょう?彼は本当に良い仕事するんだよねぇ」と嬉しそうに話してくれました。今は大工業界も機械に頼る一方なので、臨機応変に材木を扱える手塚さんはとても稀有な存在とのこと。

 

 

 

 

素敵なご縁に感謝するとともに是非うちの建築合宿にも関わって欲しいと思い、1日講師としてお招きすることになりました。普段はクールな男の子たちの眼差しがこの時ばかりは熱かったです(笑)

 

 

 

 

先生がその場の思い付きでお願い(無茶振り)した木組みもバシッと決めてくれました!近年ではこうした木組みができる大工さんも減っているそうです。木組みを必要とする状態の良い古民家はまだまだたくさん眠っているのに、なんとも勿体無い話。

 

 

 

 

そんな手塚さんにかかれば、難易度の高いカンナがけもこの通り!材木の表面をピカピカに磨いてくれるカンナ。しみじみ良い道具です。昔の大工さんたちの知恵の結晶ですね。

 

 

 

 

手塚さんのカンナがけで出た木屑を見て、「めちゃ、tranceparent(透けてる)!!!」とみんな大興奮(笑)

 

 

 

 

カンナはもちろん、手塚さんが持参した道具はどれもしっかりと手入れされていて美しいの一言。使い込まれた古材の柄が個人的にはツボでした。古民家に移ってDIYをはじめてからは、道具のありがたみがよーくわかるようになりました。使い捨てが流行る時代ですが、手入れの思想はきちんと受け継いでいきたいものです。

 

わたしの今はなき父方の祖父もかつては棟梁でした。わたしが古民家を修繕しながら暮らしているとあちらの世界で知って、きっと喜んでくれていることでしょう。こうなるとわかっていたら色々教わっておいたんですが…。

 

古民家暮らしをしていると、不思議な縁を感じることがたくさんあります。これもまた1つ。もしみなさんも古民家暮らしをすることになったら、なんとしても良い大工さんと巡り合って下さいね!

 

 

 

 

次回は左官編です。それでは、どうぞ良い1日をお過ごし下さい♪