この日のアートはしご3軒目は、銀座のポーラ ミュージアム アネックスで開催されている、久保寛子展「鉄骨のゴッデス」。

1軒目はティファニー展2軒目は銀座メゾンエルメスのギャラリー

 

 


会場に入ると、ずらっと並ぶ「青い尖底土器シリーズ」がお出迎え。明らかに素材はブルーシート(友人は「イケアの手提げバッグ」と表現)、ほかの素材も武骨そのものだが、その様子は神殿の参道といった佇まい。

 
 

 



どの作品もプラスチックやセメントといった、身近で、武骨で、わりと近代的な素材が使われているのだが、遺跡のなかを歩き回っている気分になる不思議な空間。
 

 

 

展覧会のタイトルにもなった、「鉄骨のゴッデス」。ゴッデスとは女神のこと。スフィンクスのようなロムルスのようなニケのような……。
結構神々しい。

 

 

(細い手足をつま先立ちにしてしっかり立ってるすがたがけなげ)

 

 

作家の久保寛子さんは、こうした作品を民藝を手本にしたそうで、その理由について、
 

    
(民藝は)現代の合理性では計り知れない、豊かな神話的思考の具現であり、今もなおヒトはこのような思考を必要としていると感じるから

だと言う。

 

(わかりやすい母子像だけど、なぜ3つに分断されているのか、つい考えずにいられない磁力があった)

 

 

そして、こうも語っています。

    
神話や民藝を失いつつある現代、効率化された工業製品の中に、ゴッデス(女神)を見出すことは可能でしょうか。私は身の回りにある素材から道具や偶像を生み出してきた故人に倣い、いま身近にあるもの、例えばブルーシートや軍手やワイヤーメッシュを使って作品を作ります。それらが新しい神話の断片となり、女神像の身体となることを信じて。

 

(ちゃんと撮ればよかった。おもしろかったのに…)
 
 
久保寛子さんのインスタやサイトで、制作過程も見せてくれてました。おもしろい!
屋外の展示もいいですね。見つけたらまた行きたいです。

 

 

■久保寛子展「鉄骨のゴッデス」
会期:2024年4月26日〜6月9日
会場:ポーラ ミュージアム アネックス(東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階)

入場無料

https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html