突然ですが、あなたは宝くじが当たって、1千万円を手に入れました。
食事が好きで、何より「お米」が好きなあなた。
前々から炊飯器の調子が悪いし、せっかくだからと炊飯器を買い替えることにしました。
それで、炊飯器のカタログを眺めることにしたのです。

こちらの一般的な炊飯器の値段は、1万円。

一方こちらは「パナソニック史上最高傑作」の炊飯器。
お値段は10万円します。
さて、この2つを比べた時、1千万円を手にしたあなたはどちらを購入したいと思いますか?
きっと、多くの方が、2つ目の「パナソニック史上最高傑作の炊飯器」を選んだのではないでしょうか。
実は、これにはちゃんとした理由があるのです。
この「理由」をきちんと把握しておかないと、知らない間に影響力の餌食になるかもしれません。
そうならないためにも、以降でこの原因を説明させて頂きますね!
さてさて。
実は動物には「固定的行動パターン」というのが存在します。
ある一定の引き金により、必ずその動きをしてしまう行動のことです。
それはあまりに機械的・盲目的・規則的で、
「こんなことしちゃうなんて、やっぱり動物はバカだな(笑)」
と思わず笑ってしまいます。
例えば、動くものを見ると飛びつく猫。
例えば、冬になれば冬眠する熊。
例えば、他の鳥に子育てさせるカッコウ。
これらは、いわゆる『本能』として語られるものです。
それぞれ、
動く⇒エサだ
寒い⇒冬が来る
自分が産んだ卵そっくり⇒自分の子供として育てる
となっているわけです。
この動物たちの行動を、「固定的行動パターン」あるいは「自動的反応」と言います。
要するに動物たちは、ある"きっかけ"を与えられた瞬間、"無条件で"ある行動を取ってしまうのです。
それで、冒頭の話に戻るのですが、
実は、この「固定的行動パターン」は人間にも備わっているのです。
あなたは上の2つを比べた時、無条件で
「パナソニック史上最高傑作だからすごいだろう」
「10万円もするんだからものすごく美味しいに違いない」
と思われたのではないでしょうか?
我々は、日常の判断を行うとき、心理的な簡便法を数多く利用しています。
上の例ですと、
「高い物=良い物」
という図式があなたの中で出来上がっているのです。
そして、その事になんの疑問を持たなかったのではないでしょうか?
そうなのです。
実は我々も、動物のように、何も考えないまま反射的に行動をしてしまっているのです!
実は影響力はこれだけに収まらず、
誕生日プレゼントをもらったらお返しをしたくなるのも、
「バーゲン中」「セール価格!」「今だけ価格!」と見ると思わず買ってしまうのも、
「東京大学の○○教授が言ってたダイエット法」と聞くと、すぐさま試してしまうのも、
全部が全部、この「固定的行動パターン」によるものなのです!
では、何故このような行動を人はしてしまうのか?
こんなにもバカげた行動を、何故?
先に述べておくと、これは動物には必要不可欠だからなのです。
現代の社会は「情報社会」と言われています。
情報社会は、毎日毎日、膨大かつ急激に変化する情報で溢れ返っています。
そのとてつもなく複雑な環境に生きる僕らは、その一つ一つに意味を見出し、考えて行動して行く余裕はありません。
だから、僕らは考えずに簡便法、固定的行動パターンを用いるのです。
そして、このような自動的・固定的な行動パターンは、大抵の場合上手く機能するのです。
上の例で挙げてみます。
プレゼントをもらったから、お返しにプレゼントを返す。
すると、その人との人間関係は良好になりますよね。
バーゲンやセールスで購入したものは、平時のその商品の値段よりも安く同質の物を購入でき、浮いたお金は他の事に使えます。
その分野の専門家である先生のお話は、専門家ではない僕らの間違いを正し、良い結果をもたらせてくれます。
なので、人が「固定的行動パターン」をしてしまうのは、大抵の場合は良い結果をもたらせてくれるのです。
ですが、世の中には、その原理を利用して、僕らからお金を巻き上げる人がいます。
ニュースで時々出る、「悪徳業者に気を付けよう」という話がありますよね。
大抵の人は、
「バカな人がいたものだ」
と嘲笑うかもしれませんが、被害者はもしかしたらこの「固定的行動パターン」をするよう、加害者側に操作されていたのかもしれません。
加害者が作った環境により、被害者たちは、まるで「プレゼントを返すように」多額のお金を払ったのかもしれません。
知識と言う武器がなければ、あなたも被害者と同じように、ただ反射的に行動し、苦悩する可能性は十分にあります。
知識と言う武器を手に入れ、反射的に行動してしまう思考をなだめ、利用されないようになりましょう。
このブログで、少しずつその方法をお伝えして行きます。